講談社現代新書<br> 職場を腐らせる人たち

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講談社現代新書
職場を腐らせる人たち

  • 著者名:片田珠美【著】
  • 価格 ¥935(本体¥850)
  • 特価 ¥467(本体¥425)
  • 講談社(2024/03発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
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  • ISBN:9784065351925

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内容説明

根性論を押し付ける、相手を見下す、責任転嫁、足を引っ張る、自己保身、人によって態度を変える……どの職場にも必ずいるかれらはいったい何を考えているのか?

これまで7000人以上を診察してきた著者は、最も多い悩みは職場の人間関係に関するものだという。
理屈が通じない、自覚がない……やっかいすぎる「職場を腐らせる人たち」とはどんな人なのか? 有効な対処法はあるのか? ベストセラー著者が、豊富な臨床例から明かす。

「長年にわたる臨床経験から痛感するのは、職場を腐らせる人が1人でもいると、その影響が職場全体に広がることである。腐ったミカンが箱に1つでも入っていると、他のミカンも腐っていくのと同じ現象だ。
その最大の原因として、精神分析で「攻撃者との同一視」と呼ばれるメカニズムが働くことが挙げられる。これは、自分の胸中に不安や恐怖、怒りや無力感などをかき立てた人物の攻撃を模倣して、屈辱的な体験を乗り越えようとする防衛メカニズムである。
このメカニズムは、さまざまな場面で働く。たとえば、子どもの頃に親から虐待を受け、「あんな親にはなりたくない」と思っていたのに、自分が親になると、自分が受けたのと同様の虐待をわが子に加える。学校でいじめられていた子どもが、自分より弱い相手に対して同様のいじめを繰り返す。こうして虐待やいじめが連鎖していく。
似たようなことは職場でも起こる。上司からパワハラを受けた社員が、昇進したとたん、部下や後輩に対して同様のパワハラを繰り返す。あるいは、お局様から陰湿な嫌がらせを受けた女性社員が、今度は女性の新入社員に同様の嫌がらせをする。 
こうしたパワハラや嫌がらせの連鎖を目にするたびに、「自分がされて嫌だったのなら、同じことを他人にしなければいいのに」と私は思う。だが、残念ながら、そういう理屈は通用しないようだ。」ーー「はじめに」より

目次

■第1章 職場を腐らせる人たち
事例1 根性論を持ち込む上司
事例2 過大なノルマを部下に押しつける上司
事例3 言われたことしかしない若手社員
事例4 完璧主義で細かすぎる人
事例5 あれこれケチをつける人
事例6 八つ当たり屋
事例7 特定の部署にこだわる人
事例8 いつも相手を見下す人
事例9 相手によって態度を変える人
事例10 他人のせいにする人
事例11 不和の種をまく人
事例12 他人の秘密を平気でばらす人
事例13 その場にいない人の悪口を言う上司
事例14 陰で足を引っ張る人
事例15 ストーカー化する人
■第2章 なぜ職場を腐らせる人は変わらないのか
1自己保身のためなら何をしてもいい
2喪失不安が潜んでいるとさらに厄介
3合理的思考ではなく感情に突き動かされている
4自分が悪いとは思わない
一番厄介な「ゲミュートローゼ」
背景にある構造的要因
1平等幻想
2渦巻く不満と怒り
3「自己愛過剰社会」
■第3章 腐る職場でどう生きるか
まず気づく
1重苦しい雰囲気
2不和やもめごと
3心身の不調の増加
4沈滞ムード
5疲弊
見きわめる――自己保身か、悪意か、病気か
ターゲットにされやすいのは弱くておとなしい人
断れない三つの理由
ターゲットにされやすい人の特徴
1他人の話を真に受ける
2経験不足
3何となくおかしいという直感に蓋
4他人を喜ばせたい願望が強い
5自信がない
6他力本願
7波風を立てなくない
8孤立している
ターゲットにされないために
断る練習――「部分交渉」から始めよう
意地悪なまなざし
できるだけ避ける
ときにはやり返すことも必要

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

mazda

88
いろんなタイプの「困らせる人」がいますが、中でも恐怖なのは「ストーカー化する人」でした。40代未婚女性がトレーナーとなり、中途採用の男性の教育をしていたのですが、手作りのお菓子を持ってきては食べさせたり、彼が社内で書類を持って行くと、他を蹴落として彼女が常に対応していたようですが、これを自分の中で勝手に好意があると判断したらしく、ある日彼の自宅まで押しかけてきて、同居していた彼女にまで暴言を吐いたそうです。他にも、他人の責任にする、あれこれケチをつける、完璧主義者など、雰囲気を壊す人はたくさんいます。2025/08/09

へくとぱすかる

88
まさにタイトル通りの「職場を腐らせる人たち」からの攻撃を解決する動画をYouTube で見かけるが、現実の事例の場合は、動画のように簡単には解決しない。ドラマの水戸黄門や半沢直樹のような存在はまずいないのだから。精神科医の目からみた事例はよくあるある例だろうが、単に個人の性格だけでなく、現代社会の流れが生んだ歪みも視野に入れて論じている。特に135ページ冒頭の記述は、他人事とすましてはいられない。まさにここから世界につながっている問題である。「職場」がテーマだが、学校のいじめ問題も構造として同様だと思う。2024/08/06

k sato

59
彼を知り己を知れば百戦殆からず。企業のメンタルヘルス相談をもとに、精神科医が職場に共通して存在する迷惑社員の言動を解析する。迷惑社員の対処をまとめた書籍は多いが、この一冊は他に類がない。それは15の事例につき、迷惑社員の精神構造や思考回路を分析している点である。悩めるビジネスパーソンよ!迷惑社員の本質を知らないからリズムを乱されるのだ。脳病を考慮した慎重な判断を要するが、無自覚な迷惑社員が一番厄介だ。「他人のせいにする人」「いつも相手を見下す人」を多様性として私は受容しかねる。職場に一冊購入しよう。2024/08/10

うえぽん

54
精神科医が、7000人以上の診察事例から、最も多い悩みである職場の人間関係を悪化させる原因である職場を腐らせる人の典型例と対応策をまとめた本。15の典型例として、上司の中に、根性論や過大なノルマを課す例やその場にいない人の悪口を言う例もあれば、若手社員の中に、言われたことしかしない、特定の部署にこだわる、いつも人を見下すような例もある。そういう人を変えるのが難しい理由として、自己保身、喪失不安、羨望・嫉妬、自己正当化を挙げ、個々がターゲットになりにくくなる事を薦めているが、組織としての処方箋も必要だろう。2024/05/27

きりん★

44
いつも悩んでいる職場の悩み。きっと世の中の大半の方は同じ悩み「人間関係」だと思う。辛口で申し訳ないが、この本を読んでも解決しないwこの人はこういうタイプなんだね、と明日からも塩対応していきます。2025/03/12

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