内容説明
「永遠の命はほしい?」
巨大な版図を誇るラーマ国。
しかし、一代で大国を築き上げた「武王」が病を得たことで各地で反乱が勃発し、王国に滅亡の危機が訪れる。
だが突如、アンデッドの軍団が反乱軍を襲い次々と鎮圧。禁忌とされる死霊魔術を一体誰が使ったのか。
謎の死霊魔術師の行方を追う王国の騎士・コンラートは、ある村で怪しげな屋敷に出入りする一人の少女・ルナに出会う。
赤い瞳、白い肌、金色の髪――少女は一体何者なのか?
屋敷の主は死霊魔術師なのか?
デビュー作が驚異的売上を記録した最注目の新人作家が贈る、読む者に命の価値を問う珠玉のファンタジック・サスペンス。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
岡本
81
Kindle。大きな山場がある訳ではないが謎解きパート以降はサクサク読めて心地良い。著者の小説は4作目だがキャラクターの会話が読みやすいのか、日常パートをいつまでも読んでいたくなる。あとがきにある没エンドも読んだが、思っていたよりも師匠の主人公に対する感情が大きい。確かに掲載された後日譚の方が読後感がいい。2024/04/23
こも 旧柏バカ一代
42
奴隷商人に買われた少女は魔術師に買われて、魔術師としての勉強をして、街で暮らしていたが、実験に使われて不死者へとなり、一時期は次期国王の側使えでいたけど、王妃になれと言われたら突然出奔。人里離れた所で魔術師の師匠と出会い、血への欲求と戦い、遂には克服。師匠を看取ってから人里へ降りて奴隷商人の所に行ったら孤児院になっており。教育係を看取り、国王が病で亡くなりそうと聞いて、攻めて来た反乱勢力を一網打尽にして、国王と再会して看取る。綺麗な終わり方をした。これからも多くの人を看取って行くのかな?2024/08/08
オセロ
39
面白かったですね。 王国の危機を救ったのはグールやスケルトンを操る禁忌とされる死霊魔術。いったい誰が死霊魔術を使ったのは誰かを迫るサスペンスに、一人の少女の壮絶な人生を描いた物語。 主人公でもあり、物語の語り部でもあるルナの文章のところどころにある違和感。これらがパズルのように埋まっていく感覚は堪らないものがあります。それだけでなく登場人物それぞれにドラマが良かったですね。そして何よりラストは強いメッセージ性を感じました。2024/04/02
よっち
39
人買いに育てられた今となっては希少の民アスラの少女ルナが、大金を払って買った死霊魔術師カーンと共に過ごすようになっていくファンタジック・サスペンス。カーンの弟子となって魔術を習い修練を積み重ねる日々を送り、ある村の怪しげな屋敷に出入りするルナに声を掛けた、謎の死霊魔術師の行方を追う王国の騎士・コンラート。一方で彼女がラトやルシアナと出会い、外の世界を知ることで少しずつ変わってゆく中で起きた不器用なすれ違いからの悲劇。そうするしかないと決意しても、それでも約束を違えなかった二人の再会が印象に残る物語でした。2024/03/27
しまふくろう
31
表紙が格好良くて購入。 物語は身寄りのない子供が売られた先で魔術を学んだ話。ミステリっぽいタイトルだが推理物ではない。 天涯孤独の身で商品にされながらもタフに生きるルナが好印象だった。奴隷商や魔術師や王子達など、一癖ある人達に囲まれての生活も面白い。師匠の苦悩や奴隷商人の思いなど意外な一面も良かった。 最後の一ひねりも叙述トリックっぽくて面白かった。2024/06/01