内容説明
知の巨人が語り尽くす、日本への刺激的処方箋
いつの間に、日本はこんなに生きづらい、貧しい国になってしまったのか?
なぜ、こんなにデタラメな政治がまかり通る世の中になってしまったのか?
その答え、実は「コモン」ですべて説明できるのです。
AIによる大量失業、富の一極集中、アンチ・グローバリズム、人口減少による高齢化と過疎化……
いよいよ限界を迎え、音を立てて軋んでいる資本主義。
その背景には、昔はどこにでもあったコモン(共有地)の喪失がある。
今こそ分断を超え、新しい共同幻想を立ちあげるときだ。
絶望の果てに光を見出す希望の書。
巻末に文庫版特別付録として、東京大学大学院准教授・斎藤幸平との対談「心地よい、新しいコモンについて語ろう」収録!
21世紀の新たな「囲い込み」を警戒せよ!
そこには、ディストピアしかない──。
・西部劇「シェーン」は「コモンの消失」という悲劇を描いていた
・「貧困は自己責任」と切り捨てる心理
・「青年」も「旦那」も消え、子どもおじさん・おじいさんが出現
・「一罰百戒」で委縮するテレビ局や大手メディア
・ディープ・フェイクの時代を生き抜くために
※この電子書籍は2020年11月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tsu55
19
2016年~2020年まで雑誌に連載された文章をまとめたもの。なので、取り上げられたトピックには、コロナ過、東京オリンピック、安倍晋三の長期政権など、2024年の今読むと、遠い昔のことのように感じる話題が多い(実際にはそんな昔ではないのだが)。けれども、著者の世相に対する分析は今でも通用すると思うし、コモンを再生すべしという話も分かりやすく、腑に落ちる内容でした。2024/05/29
ひと
8
私有地を囲い込み生産性を上げてい くという資本主義は行き詰まってきてる。かつては土地、動物、生産手段などはみんなで共有していていた。今こそ、コモン(共有地)を広げていき、次の世代に繋ぐことが必要ではないか、という提言が、書かれているのかなと思いました。2024/04/25
へい
6
とても良いコラム集だとは思うのだけれど、一番最初に思い出せるエピソードが、小学校時分に平川克美さんと発行した壁新聞が発禁処分になったことである。その内容を出版不況の出版社に持ち込めば、なかなかのヒット作が生まれる気がする。巻末の斎藤幸平さんとの対談を読んでいて、次の次の大統領選の候補者が数字通りに行けば平等に重きを置く候補者が生まれるということで、そうなれば外圧に弱い日本も少しは変わるのかなと思ったので、なんとかあと4年サバイブしていこうと思った。瞑想と合気道の話も面白いなと思いながら読んだ。2024/04/26
しゅー
6
★★内田先生はリベラルとして括られることが多いけれど、いい意味で「保守」の一面を持っていると思う。人間の理性に過大な期待を寄せないし、伝統についても廃止するだけの合理的な理由がない限りそのまま残そうとする。また、我々が言語化できない時代のイヤ〜な気分を的確に言葉にして整理してくれる。何より、人間の負の側面を否定しないで寛容を説いてくれるのがありがたい。いつもながらの村上春樹論も楽しませていただいた(乞復刊『村上春樹にご用心』)。政治家の具体名が出てくるとちょっと残念な語り口になってしまうのがもったいない。2024/03/26
Hiro
4
つい夢中になって他を中断して読了してしまった。日頃モヤモヤと漠然と考えていたことをクリアに一点の曇りもなく明確に言葉にしてもらったような快感があって、著者のものは読むこと自体が楽しい。特に前半の、国家や公共や教育や憲法などを論じた箇所は小気味よく読んだ。英国の既存階級の下にアンダークラスが出来たという話や、大学授業料が昭和から今日まで急上昇した背景の分析や、戦前の特高警察が戦後お咎めなしだったことや、マスコミの批評力、分析力が昨今急低下していることなど、無知と強欲と威圧と狡猾のまかり通る社会を論じて見事。2024/12/11
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