内容説明
難民、パンデミック、気候変動……すべては国境問題につながる。人類にとって「国境」とは何か。古代の戦跡から、パレスチナ、トランプの壁、解ける氷河まで、歴史的転換点の現場で考える。
侵攻、移民、
パンデミック、気候変動……
すべてはここにつながる
「境界線」は
いかに世界を
動かしてきたのか――
歴史的瞬間の現場を
めぐるドキュメント。
[メディア絶賛!]
「歴史、旅行記、ルポルタージュを駆使した野心的な探究」
――米ニューヨーク・タイムズ紙
「過去・現在の国境での抒情的な旅」
――米ワシントン・ポスト紙
「豊穣なエッセイで綴られた旅行記」
――英ガーディアン紙
●本文より
「本書を執筆する過程で、私は昔からある国境も新しい境界線も探して旅をした。(中略)私の目論見は、これら現代の旅だけでなく、過去の旅や、そこでの会話や、物語を使って、国境とは何かを理解しようと試みることだ。境界がいかにつくられ、つねに動き、どう曲げられ、断ち切られる一方となっているかを」
●原題
THE EDGE OF THE PLAIN: How Borders Make and Break Our World(2022年刊)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
鯖
24
人類にとって国境とは何か。難民、パンデミック、気候変動と国境がもたらす問題を、パレスチナ、トランプの壁、解ける氷河等にその足で訪れ、その目で捉えて考えるルポ。コレラは昔から富裕層ではなく貧困層を狙い撃ちにし、死亡率は全然違っていたとか、アフリカに10億本の木を植えるとか。その土地にその土地に自生していた樹を植えるんならいいんだろうなあ。まあでも外来種の問題もあるとはいえ、人間て最大最悪の外来種だよね…と思ってしまう。2024/03/16
Shori
3
図書館→購入。一つ一つの章に込められた人々の営みと歴史の重さを感じながら、時間をかけて読んだ。特にパレスチナの章。住む場所も移動の自由もなく、人間として扱われない、残酷すぎて目を背けたくなる現実。分離壁は人を窒息させる。死ぬまで自由を知ることはないだろう、と語る民。取材する著者は自由に移動できる皮肉。全体的に、歴史家の著者の筆致は淡々としている。ボーダー=境界が社会、集団の確立に必須であること、そこから生まれるウチ/ソトの対立、追いやられる側が被る理不尽(先住民、環境難民…)が一貫している2025/11/29
どさんこ
3
周りを海に囲まれている日本にいると、国境に対する感覚が中々理解出来ない。イタリアとオーストリアとの国境は、氷河の融解に従って日々変化していると言うことには気が付かなかった。宗主国同士が勝手に引いた国境線に対して、ベドウィンのような移動民族は何の関心もないだろう。そういえば、近くの調布飛行場は、滑走路の一部が調布市と三鷹市とで分断されている。ここには民族の違いみたいなものほないはずだが、何故分割されているのだろうか、などど妙な疑問が生じてしまった。2024/05/13
Go Extreme
2
平原の外れ: ラガシュとウンマ 無人地帯 円柱の物語の終わり 最初の国境の物語 つくる; 線状に連なる骨・国境を引く商売 果てしない周縁部・戦争と球技 無限・障壁への旅 動く: 壁を築く・シームゾーン 失われた国境・線の終点 越える: 過酷な地・移民の残したし品々 国境を燃やす・終着点としてのもろおっこ 崩す: 解ける国境・アルプスの分水嶺 この肉体の壁・社会が永久に変わる/決して終わることのない戦争 広大な岸辺に緑の線・アフリカに10億本の木を 世界各地のの出来事≒国境/境界という共通の問題2024/02/23
ほなみ
1
日本だと国境というものを意識することはないが、世界的に見ると国境というものは変化するものだし非常に曖昧なものなのかもしれない。 パレスチナの壁では西洋の人が平和の象徴として絵を描き、もともと北欧に住んでいた先住民たちの住処を都合上切り分けたり、国境と一言にまとめても立場によって捉え方も異なる。県境とは異なり、国境は大きな壁を感じる。この本を読んだ限りその認識にズレはないが、果たしてEUの人たちも同様の認識なのか気になる。線が引かれると外の感じがして対立が生まれてしまうが、国境は必須なものなのだろうか2024/06/07
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