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内容説明
日本文学は「どうしても翻訳できない言葉」で書かれてきた、と大江健三郎は言う。事実、谷崎も川端も三島も、英訳時に改変され、省略され、時に誤読もされてきた。なぜそのまま翻訳することができないのか。どのような経緯で改変され、その結果、刊行された作品はどう受け止められたのか。米クノップフ社のアーカイヴ資料等をつぶさに検証し、一九五〇~七〇年代の作家、翻訳者、編集者の異文化間の葛藤の根源を初めて明らかにする。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
116
日本の翻訳出版では完訳が当然で、日本人に馴染みのない部分を削除したり要約ですませることはまずない。しかし戦後アメリカでの日本文学紹介では谷崎、川端、三島らの代表作でも当然のように行われ、結末の改変すらあった。逆に日本語文では珍しくない主語や時制の曖昧さは許されず、英米圏読者に受け入れられるよう誰がいつ何と語ったか明確にするよう加筆された。特に会話文では日本独自の性差、年齢差、距離感に満ちた表現の翻訳は難しかったようだ。異なる文化の架橋者たる翻訳者の苦労もわかるが、「翻訳者は裏切り者」なのも事実と言えよう。2024/04/02
踊る猫
30
谷崎や川端や三島といった作家の作品は、彼ら独自のクセのある文体もさることながらそこに書かれていることがらについても、相当に英語に訳しづらいことは想像に難くない。そうした作品がではいったいどのようにして訳され、そして海外で受容されうる作品に「変化」したのか。著者がここで為す検証作業は一貫して中立/フェアネスを守り、日本側にも海外側にも単純に与せず「翻訳の可能性/不可能性」を浮き彫りにしていくことに専念した、その意味で実に「シブい」ものだ。ただ訳せば伝わる、とぼく自身ナメていたところがある。それを深く恥じたい2024/08/25
Dolphin and Lemon
2
とても面白かった。サブタイトルにある通り文化の「あいだ」を明らかにする一冊。英語の勉強をしたくなった。図書館で借りたけど、今度本屋で買おうかなって思う。2025/10/29
Mits
2
50~70年代の日→英訳の実情。歴史の話で、基本的には今のことではないのだけれど、非ヨーロッパの言語の中で日本文学が比較的マシな地位を占めている経緯はこういうことなのだと。 そして、AIでは文学作品の翻訳は当分無理だと思ったかな。2024/05/23
takao
0
ふむ2025/10/29




