筑摩選書<br> エラスムス 闘う人文主義者

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筑摩選書
エラスムス 闘う人文主義者

  • 著者名:高階秀爾【著者】
  • 価格 ¥1,595(本体¥1,450)
  • 筑摩書房(2024/01発売)
  • 2026年も読書三昧!Kinoppy電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~1/12)
  • ポイント 420pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480017901

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内容説明

中世の大ベストセラー『痴愚神礼讃』の名を知る人は多いだろう。ヨーロッパ文化への貢献者に与えられる栄えある賞に今もその名を残す、西洋知性の粋、デジデリウス・エラスムス。宗教改革をはじめ、世俗権力と教会の対立が顕在化し、争いが絶えなかった狂乱の時代を生きた彼は、つねに学問に打ち込み、「何者にもその道を譲らない」という自らの信条が揺るぐことはなかった。派閥に属さない知性的な態度や人間味あふれる魅力的な人柄、「世界市民」としての生き方を、西欧文化を知悉する著者が憧憬をこめて描き出す傑作評伝。 【目次】まえがき/第1章 我、何者にも譲らず/第2章 不信の時代/第3章 変革への底流/第4章 古代へのめざめ/第5章 ふたつの友情/第6章 イタリアへの旅/第7章 ヴェネツィアの印刷業者/第8章 ゆっくり急げ/第9章 『痴愚神礼讃』/第10章 宗教改革の嵐/第11章 嵐のなかの生涯/第12章 自由意志論争/第13章 栄光ある孤立/はしがき

目次

第1章 我、何者にも譲らず/小さなメダル/テルミヌス神を象徴として/晩年を襲った苦難/不信と混乱の時代に/自己の精神の自由のために/フッテンへの抗議文/第2章 不信の時代/パラドックス/誰からも求められたエラスムス/出生にまつわる謎/ロッテルダムのヘラルド/第3章 変革への底流/デーフェンテルの少年時代/両親の死/『今後二十年間の予告』の終末観/ランディーノ版『神曲』の影響/「世界の終末」と「新しい宗教」/聖女ビルギッタの幻想/第4章 古代へのめざめ/異教的古代とキリスト教的中世の遺産/古典への没頭/同時代人ロレンツォ・ヴァラへの傾倒/『反蛮族論』──学問と信仰の調和/修辞学の訓練/『現世を蔑む』──エラスムスの思想構造/エラスムスと「パンドラの箱」/第5章 ふたつの友情/イタリアへの憧れと挫折/ソルボンヌ大学へ/イギリスへ/ヨーロッパのユマニストたちの交わり/ジョン・コレットとの邂逅/トマス・モアとの友情/第6章 イタリアへの旅/実現しなかったイタリア旅行/イギリス滞在の意味/エラスムスが出会ったルネッサンス最盛期/遅過ぎたイタリア旅行/エラスムスの真の目的/第7章 ヴェネツィアの印刷業者/神学者エラスムスへの旅路/トリノからボローニャへ/アルドゥスとの出会いと『格言集』の刊行/パドヴァ──アレキサンダー・スチュアートとの日々/ローマでのエラスムス/エラスムスがイタリアから得たもの/十六世紀ヴェネツィアの印刷出版業/アルドゥスのアカデミア/第8章 ゆっくり急げ/海豚と錨/ユマニストたちのシンボル/「ゆっくり急げ」の寓意表現/サヴォナローラのメダル/『痴愚神礼讃』へ/第9章 『痴愚神礼讃』/ホイジンガが語る『痴愚神礼讃』/「モック・ヒロイック・スタイル」/『愚者の船』『愚神の勝利』との比較/人文主義的文化と民衆文化の統合/道化の存在/人間へのあたたかな視線/第10章 宗教改革の嵐/『痴愚神礼讃』の成功が示したこと/ローマへの幻滅/「痴愚女神」は語る/一五一五年の時勢/『平和の訴え』の戦争批判/なぜ戦争が起こるのか/第11章 嵐のなかの生涯/学芸復興への希望/嵐の前の静けさ/ルターを弁護する/ツヴァイクの見たエラスムス/「世界市民」でありたい/第12章 自由意志論争/『自由意志論についての評論』──ルターへの反対表明/「立ちあがら」ないエラスムスへの不満/「自由意志」をめぐって──ルターとの論争/聖書学者エラスムスの方法/多数の理性との連帯/第13章 栄光ある孤立/二度目のバーゼル滞在/ノエル・ベダの異端非難/受難/「魚食い」の対話/故国なき「世界市民」/エラスムスがめざした共同体/あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

Francis

15
先月亡くなられた高階秀爾先生による16世紀を生きた人文主義者エラスムスの評伝。高階先生が1971年の学生運動の余韻の残る世相の中お書きになったもの。ホイジンガの「エラスムス」は読んだことがあるが、あまりピンと来なかった。当時のカトリック教会を厳しく批判しつつもルターのように教会の分裂を望まず、聖書の校訂と理性による解釈を通じて古代教会の精神に立ち返ろうとしたエラスムスの生涯を高階先生は見事に描き出している。人間の理性を信じ、平和を願い続けたエラスムスの生涯を知ることはとても意義のある事だと思う。2024/11/10

加納恭史

14
今週は登山と温泉と、昨日は北海道神宮祭のお神輿行列を見て、夏を実感。やっと読書に戻ろう。エラスムスの本はなかなか難しい。当時の教皇や司祭の腐敗に、彼は自由意志の重要性を訴えた。中世まで人々はカトリックの宗教生活のみであった。王権と教皇との政治的な領地争いは宗教の新しい解釈を求めることとなり、エラスムスは人々の現世の生き方を問う自由意志を強調。これがルネサンスの人文主義の代表なり。カトリックにもプロレスタントの争いにくみしない生き方を説く。これはアウグスティヌスの自由意志を再度問う。現代の自由意志の始まり。2025/06/17

ジュンジュン

12
西洋美術史の御大と思想家の珍しい組み合わせ。まだ学生運動の余燼が燻っていた頃、教鞭をとってた自分自身とエラスムスの逆境が重なったとか。50年前の著作だが、そこは高階先生、読みやすい。神々の王ジュピターに多くの神々が道を譲るなか、テルミヌス神だけが拒否したという神話に由来する「我、何者にも譲らず」の成句。エラスムスが座右の銘にしたこの一句をキーワードに、激動の時代(宗教改革)を生きた生涯を跡付ける。2024/04/20

馬咲

6
執筆動機は学生運動直後の東大での対話形成の苦労にあったという。エラスムスの理想的ユマニスト像のベースが、モアが代表する英国人文主義者の「世論」に動じず「コモンセンス」を重んじる姿にあること、『痴愚神礼賛』には鋭い人間批評とともに、「愚かしさ」への温かい理解と共感があるといった指摘が興味深い。彼の「寛容」は古典が伝える人間性への共感と、聖書校訂のような学術的キャリアに基づく。多くの写本の比較検討から真正の文章を確定する作業が、人間理性の限界の認識、多様な理性との連帯の必要性、相対的真理の尊重等を彼に教えた。2024/11/21

shimashimaon

5
座右にある『論語』を脇にやって手に取ってみると、西洋古代・中世の知性・感性にずっと触れていたいと感じてしまう。宗教改革という出来事はキリスト教徒ですらない私にとっては全く想像もできないことですが、言葉で知ることに加えて生身の人間を想像することで理解が進むような気がします。トマス・モアも登場する『セシルの女王』が良い材料になっています。本書もエラスムスの人生を伝える読みやすい書物です。いずれの党派にも与せず(実際にはカトリック教会内の留まり)両者を批判した。単純な二項対立に陥らないよう気をつけたいです。2025/09/28

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