内容説明
吃音で「いらっしゃいませ」、メニュー、代金が言えず、接客アルバイトを諦めてきた若者がいる。人と話したいけど言葉がうまく出てこない――そんな若者たちが、奇想天外な1Dayカフェを始めた。発起人は、自身も吃音症で夢に蓋をしてきた奥村安莉沙。言葉をめぐる冒険、急がない幸福。エッセイの名手・大平一枝が紡ぐ温かな感動ノンフィクション。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
racco201
36
この本は「吃音」の症状がある人が開催する『注文に時間がかかるカフェ』のドキュメンタリー。吃音は頻度の高い障害であるのに周囲の理解や対応の整備がなく、やりたいことを諦めたり、いじめを受けたりしている方も少なくないことがわかった。会話を急がない、発語を待つという配慮は簡単な様で難しいことかもしれない。受け止める側の周囲の人が吃音に向き合うことに慣れて特別なこととして受け止めない様になれば、吃音の方が生きやすい世の中になるのではないかと思った。2024/06/23
おいしゃん
35
【2024-55】吃音者による吃音者のためのカフェに密着したドキュメント。誰にも相談できず、言葉を発する度に極度の緊張と、発した後の絶望は、嫌というほど体験してきたので、様々な感情を生みながらの読書だった。幸いにも自分は、読書会を主宰したり、リーダーとして前に出るのも苦にならないほどにはなったが、それでも電話や特定の発語にはいまだ苦しみを感じるため、全く他人事ではない。ぜひこの取り組みに、いずれ何かしらの形で関わりたいと思った。2024/04/14
みなみ
34
吃音の若者たちが接客を行う、1日限定無料のカフェ「注カフェ」の活動を紹介するルポルタージュ。吃音の人とこれまで接したことはなかったけれど、陰で苦労して言い換えをしている人もいたのかもしれないと思い、もっと社会の理解が広がってほしいと思った。発起人の奥村さんが頑張りすぎているのも気掛りなので、身体に気を付けてほしいな。2025/12/27
青木 蓮友
25
幼かった従兄弟が少しそうだったかも、まったく意識していませんでした。あと幼稚園でも喋れなくて泣いている子はいましたが、困ったり騒ぐのは先生だけだった印象があります。どんなコンプレックスもおそらく自意識過剰。吃音に限らず、みんな何かをどこかで見下しあったり憧れあったりしてる。それと昔は本当に酷かったです。ひとりっこを目の敵にする先生がいて「ひとりっこは甘やかされているから」と何かと引き合いにだされて、食べるの遅いから羽交い締めでスプーン突っこむみたいな。でも子供たちは冷静でしたよ、ある意味で大人でした。2024/08/14
kitten
22
図書館本。吃音で悩む若者たちが接客する「注文に時間がかかるカフェ」を取り扱ったノンフィクション。息子が吃音ぎみだったけど、知らない間に治ってた。確かに、思春期にずっと吃音だと精神的にきつい。主催者の奥村さんが、とんでもなくエネルギッシュでパワフルだけど、どう考えても働きすぎで、著者が心配しているのがこっちまで伝わってくる。全然、知らない世界だったから、知れてよかった。世の中がどんどん生きやすくなってくれるといいな。2025/02/07




