内容説明
東京には、戦災や震災を乗り越えた古い建物が多く残っています。
昔ながらの商店街や下町を歩けば、気になるレトロな建物がちらほら……。
実はそれ、「看板建築」かもしれません。
看板建築とは、関東大震災の後に建てられた木造の店舗兼住居で、
正面部分は看板のように銅板やタイル、モルタルなどの装飾で彩られています。
ユニークな装飾は、著名な建築家ではなく、
建主や施工にかかわった職人たちが自由に施したものがほとんど。
型にとらわれない楽しい佇まいが、今も人々の心を魅了しています。
老朽化や空き家化によって日々取り壊されつつある看板建築。
今この瞬間も、減りはするものの増えることはありません。
本書では、今も現役で稼働している貴重な東京の看板建築を集めました。
営業中の店舗は、実際に建物の中に足を踏み入れることもできます。
見て楽しい、訪れたらもっと楽しい「看板建築さんぽ」の魅力が満載です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ジュール リブレ
65
都内の大正・昭和初期から残る看板建築なる昔の建物を巡る一冊。神田・神保町、日本橋、銀座・築地、高輪・芝・品川、台東・隅田、その他(本郷、青梅、亀戸。。)あのお店が出てた!と何軒も眺めて、こんな紋様あったのかな?と見直したり。共通点は、気のいいおじいちゃん、おばあちゃんがやってるお店が多いことかな〜。2020/05/29
Roko
35
外国の建物のような飾りがあったり、和風テイストが入っていたリ、当時の大工さんや左官屋さんがいろいろなアイデアを出して作り出したのでしょうね。銅板を使っているところはキレイな緑青の色が出ているのですが、その色にも薄いのから濃いものまであります。濃いものは自動車の排気ガス影響だというのは初めて知りました。この本で紹介されている建物のいくつかは実際に見たことがありますが、どれも風情があっていいですねぇ。でも、維持するのはさぞかし大変でしょうね2023/08/23
LNGMN
12
関東大震災後につくられた和洋折衷・なんでもありな「看板建築」の魅力を都内に残る建物を通して紹介する一冊。その場所で営まれてきた人々の歩みに想いを馳せるのもまた楽しかった。何気なくみている建物の見方が変わりそう。2024/04/07
bluelotus
7
★★★☆☆ こういった建物ができた理由がわかるとともに看板建築の見所も細かく書かれていたので、これからは見る目が変わりそう(笑)職場近くで普段から見ていた建物もあったが、掲載された地図を見ると表記がアバウトすぎるような…。また江戸東京たてもの園にも行ってみたい。2020/03/29
てばさきんぐ
4
看板建築が大好きで飛びついた本。現在する今も活躍中の看板建築たちが掲載されてます。 いつも外から眺めたり飲食のためにお邪魔するくらいでしたが建物のエピソードや装飾の詳細が見れて大満足。 あとがきでの著者からのメッセージ 『なるべく早く行動することをおすすめします。』がそのとおり‼︎と思って品川方面へ行く用事に便乗して看板建築見てきました。2020/12/15