ホラーの哲学

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ホラーの哲学

  • ISBN:9784845919208

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内容説明

なぜ、「怖い」のに「見たい」のか?
なぜ、存在しないものを怖がるのか?

ここから、ホラーの哲学は始まった
分析美学の第一人者であり、映画・大衆芸術(マス・アート)研究の分野でも活躍するノエル・キャロルによる、ホラーの哲学を初めて理論化した革新的かつ体系的著作、待望の翻訳!

『フランケンシュタイン』『ジキル博士とハイド氏』『ドラキュラ』『エクソシスト』『オーメン』『エイリアン』、さらにはH・P・ラヴクラフト、スティーヴン・キング、クライヴ・バーカー、シャーリイ・ジャクスンなどなど…… 
本書では、古典的名作から現代のヒット作品、さらには無名のB級作品まで、膨大な作品群を縦横無尽に取り上げながら、ホラーとは何か、その本質や定義、物語構造とプロット分析、ホラーの魅力、さらにはホラーモンスターの作り方についてなどを論じる。
さらに哲学的な観点から、存在しないとわかっているものをなぜ怖がってしまうのか(フィクションのパラドックス)、また、恐怖を与えるホラー作品をなぜわざわざ求めるのか(ホラーのパラドックス)について考察する。

吸血鬼、ゾンビ、人狼、悪魔憑きの子ども、人造人間、スペースモンスター、幽霊、その他の名もなき怪物たちが、なぜわたしたちの心を んで離さないのか。
フィクションの哲学、感情の哲学、ポピュラーカルチャー批評を駆使して、その不思議と魅力の解明に挑む!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

テツ

13
幽霊だの呪いだのを全く信じてはいないが怖い話は大好きなのでホラーについての哲学的な考察はとても興味深く楽しく読めました。人間が進化する上で恐怖という感情がどのように発生&発達してきたのかということを知った上で能動的に恐怖心を得ることが娯楽になっている現状を眺めてみると面白いな。恐怖に限らず人間は感情を揺さぶられると快感なのかもしれない。弱い刺激は快感であり強い刺激は苦痛だと言うけれど、恐怖という感情も同じなんだろうな。2022/10/26

佐倉

11
存在しないものをどうして恐れるのか。どうして不快なものに惹かれるのか。この問いに90年代までの主にモンスターホラーを例として記述していく。辿り着いた結論はシンプルだがそこに至るまに様々な仮説を「あるタイプの作品には適用できるがすべてのホラーには適用できない」と検証する流れが頁の多くを占めている。SFや他のジャンルの創作にも援用できそうな分析(特に登場・発見・確証・対決の組み合わせについてなど)もあった。文化の境界にある不浄を求め、隠されたものを知ろうとする欲求。確かにホラーだし別のジャンルにも適用できる。2022/11/24

owlsoul

7
ホラーとは、危険かつ不浄なものに対して人間が感じる恐怖と嫌悪の入り混じった感情である。不浄とは、自然や社会のカテゴリーを逸脱したものであり、道徳的に禁じられたものだ。それら「禁忌」に対する好奇心が、ホラー的魅力の源泉となる。社会の混乱や不安はホラー表現に影響をあたえ、大恐慌のときには疎外された悲しきモンスターが流行し、共産主義への恐怖は謎の生物や異星人による寄生・侵略という形で表現された。そして現代、ポストモダニズムは人間を「肉」に還元し、その結果としてスプラッター的な人体破壊描写が多用されるようになる。2022/11/12

らむだ

5
ホラーを“アートホラー”と定義し、なぜ人は不快なはずのホラーに惹かれるのか、作り物であるホラーを怖がるのかという疑問を解消していく力作。良い意味でマニアらしさが抑えられ客観的にまとめられている。2023/03/19

aoto

2
とても全部は読めていないけれど紹介を。ホラー小説におけるストーリー/プロット論。中々、堅苦しい文章表現で論じられているので、読み込むのは大変。ホラーが求められる理由や、キャラの同一性の必要についても論じられている。2023/06/19

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