新潮文庫<br> 広重ぶるう(新潮文庫)

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新潮文庫
広重ぶるう(新潮文庫)

  • 著者名:梶よう子【著】
  • 価格 ¥935(本体¥850)
  • 新潮社(2024/01発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 240pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784101209555

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内容説明

描きたいんだ、江戸の空を、深くて艶のあるこの「藍色」で――。武家に生まれた歌川広重は絵師を志すが、人気を博していたのは葛飾北斎や歌川国貞。広重の美人画や役者絵は酷評され、鳴かず飛ばず。切歯扼腕するなかで、広重が出会ったのは、舶来の顔料「ベロ藍」だった。遅咲きの絵師が日本を代表する「名所の広重」になるまでの、意地と涙の人生を鮮やかに描く傑作。新田次郎文学賞受賞。(解説・日野原健司)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

W-G

300
去年、アロハシャツが売っているのを見て、買おうか悩んだのがキッカケで興味を持った歌川広重。江戸っ子気質で人間味満載の広重を活写した本作は、北斎や国貞といった同時代を生きた偉人と、良くも悪くも違った個性を浮き立たせている。次の土曜日にドラマが放映。キャストもよいので観てみたい。最初の奥さんである加代が名脇役すぎて、あっさり再婚してしまったことに違和感残すも、各登場人物との巡りあわせが、すっきりと適材適所でいて、どれもちゃんとドラマになっている。ベロ藍への執着だけはもっとねちっこく描写してほしかった。2024/03/21

どぶねずみ

36
西洋美術よりも日本美術の方が好き。日本美術のなかでは浮世絵が特に大好き。浮世絵を描く絵師といったら、代表格の北斎よりも、迫力満点の国芳やしっとりした風景画の広重が大好き。そう、これは広重の生涯を描いた小説。浮世絵の歴史は長いけれど、今羅列した名前の人たちは同じ時代を生きている。当然この業界では何度も比べられたに違いない。でも、絵なら何でも書けるわけではない。春画は人物像を上手に書ける人でなくてはセンスないし、風景は広重しかいない。広重をもっと堪能したい「広重好き」にはたまらない人物小説だ。2024/03/27

のびすけ

31
鳴かず飛ばずだった広重が「東海道五十三次」で一躍人気絵師となり、晩年、念願だった「名所江戸百景」を完成させる。改めて「名所江戸百景」の一枚一枚を見ていると、斬新で大胆な構図やベロ藍の表現の美しさもさることながら、そこに込められた江戸への強い愛着と江戸に暮らす人々への深い愛情が溢れてくるようで、涙が込み上げてくる。加代さんと昌吉もきっと喜んでいるに違いない。広重の人生や作品に影響を与えた版元たちや北斎、豊国(国貞)、摺師との関わりもとても面白かった。感動。傑作。2024/03/16

Nao Funasoko

26
初めて浮世絵に興味を持ったのは小学生の頃の切手収集がきっかけ(なので、個人的には「安藤広重」で刷り込まれた。ww)。数多の浮世絵師の名前もその頃に覚えたものだが、派手というか様々な意味でインパクトの強い写楽や北斎に較べて、広重はどちらかというと物静かで穏やかな人柄という印象が強かった。しかしながら、本作で描き出される広重はとても人間味ある"江戸っ子"で広重のイメージがオーバーライトされた感覚。興味深く読了。2024/02/29

ゆうこ

16
人間・歌川広重、何て魅力的な人だろう。「ちっぽけな自分を思いながら、青く澄んだ空に慰められてもきた」これが江戸を描く原動力。誰でも空の青さに慰められることはあると思う。それが次につながる、生きる縁となる。自分の思いだけでは描けない、様々なしがらみに遭いながら、大切な人な亡くしながらも描き切った江戸百景。焼け野原の江戸ではなく、これから生きていく人が、屋根の向こうに広がる大きな青い空と富士が見える江戸をもう一度胸に抱けるように。絵に込められた思いを知るだけでも読んだ甲斐がある。本物の広重ぶるうを見てみたい。2024/02/11

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