日本留学精神史 - 近代中国知識人の軌跡

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日本留学精神史 - 近代中国知識人の軌跡

  • 著者名:厳安生
  • 価格 ¥4,620(本体¥4,200)
  • 岩波書店(2023/12発売)
  • ポイント 42pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784000016896

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内容説明

日清戦争から辛亥革命にかけて,中国から日本に大勢の男女学生が渡来した.東アジアの歴史変動のなかにあって彼らはいったいいかなる精神のドラマを体験したのか.数多くの例に即し,その意味を内在的に明らかにする.

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目次

第一章 日本留学と「中体西用」
舞台が用意されるまで
洋行一年、読書三年にまさる
「舎己芸人」の日本に倣うな
「忠孝を本」と再確認
「国家的観念」を持て
『姿三四郎』ブームから
嘉納―楊論争、幕開き
嘉納も言う、日本にならうなと
「日本へ来て又おがむか」
懐疑から警戒へ
第二章 神山・梁山泊・「文明商販」――留学生の抱いた日本像
負けん気の強い一群
「文明の母国」対「進取精神の母国」
梁山泊と松陰塾
「東瀛に漢魂以て欧粋吸えり」
「一半は異域、一半は古昔」
異域で「大漢の天声を振わん」
励まされる国民教育の理念
林黛玉まで甦らせる女子留学
「興学」現場の雰囲気
「速成法政」と猟官の洪水時代
流れの変遷
第三章 「人類館」現象と「遊就館」体験
大阪博覧会の人類館
「泰平の民に解るまい」わが痛み
恥じの烙印をつつかれて
「文明」と「野蛮」のはざまに
「東京の市を歩くと蹌蹌婆子」
辮髪も断髪も受難のもと
台湾館にて警報を聞き
「人以て其功を記し我以て其恥を銘ず」る遊就館
附録――結びに代えて
第四章 在日留学生と日露戦争
対露開戦をよろこんだ中国人
開戦前史に係わる日本留学事始
「胸が痛むほど羨しい」光景
蔡鍔の思索と主張
「軍国民」熱
報いられざる声援と期待
「中国のために露国と戦う」と聞いて
日露戦争に刺激された士官留学
士官留学の変遷
時代の脚光を浴びた一群
列強争奪の場裏に引き込まれて
第五章 日本到着前後・硬軟両様の摩擦
「奮身東渡探神山」
海に出て
「黄海の旧戦場」
開かれた海、憂鬱な海
長崎に上陸してから
最初の食事
落着いて落着かぬ畳の上
入浴摩擦
「自治公約」の表と裏
服装に対するこだわり
第六章 留学生活にみる諸生態
「畸型の学校生活」
先生と学生のあいだ
国旗事件と教科書問題
就学状況に関する公使報告
「留学界一般気風」とその底流
留学界の満漢相剋つの図
留学生管理種々相
迷惑がられる遊歴官紳
エリートの哀歓
注(引用書目)
あとがき