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内容説明
正中の変、元弘の変を経て鎌倉幕府はついに滅亡するが、後醍醐天皇による建武の新政も世の混乱を収めきれず……。足利尊氏・直義兄弟、後醍醐天皇、新田義貞、楠木正成、高師直らによる、日本各地で繰り広げられた南北朝時代の動乱を描いた歴史文学の傑作。全2巻
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
文公
25
以前から太平記を読んでみたいと思っていたときに、手軽に読める古典新訳文庫で出たのはありがたかった。平家物語の影響を感じつつも、平家物語の因果応報観より天皇の権威や大義名分の色合いを強く感じる。南朝方への鎮魂の思いがあるというのも頷ける。個人的に興味深かったのは、平家物語では見られなかった、辞世の「漢詩」が度々出てきたことだ。平家物語成立時よりも中国との交流が盛んになった室町時代の文化を反映しているのではないかと思うが、実際はわからない。下巻も楽しみ。2024/01/27
ossan12345
8
亀田先生の著作で初めて親しむようになった中世日本史を知るため、謎多き太平記に挑戦。史実はある程度頭に入っているとはいえ、戦国時代と違って前提知識が少ないためなかなか厳しい…とはいえ、膨大な中国故事、歴史書を拠り所に書かれていることを知り、そういえば高校の漢文でいろいろ読んだなあと懐かしく想い出す。今は余裕がないけど老後に時間の余裕があれば呉王夫差・越王句践とか、堯舜禹桀紂をもう一度読み味わってみたいものです。下巻へ。2023/12/12
八百蔵
4
抜粋版。改めて中国大陸文化に影響を大きく受けていることがわかる。まぁ当たり前だけど。2024/02/16
はる
3
鎌倉幕府滅亡から湊川までが早く感じました2024/01/25
茶々丸
3
劇画では読んだことのある太平記だが、本書は全40巻から訳者が90話を選定して現代語訳したものということだ。選定基準が下巻にある解説に書かれているそうだが、現時点では分からない。 まぁ、登場人物が多くてごちゃごちゃして分かりにくいのは変わらない。垣根涼介氏の「極楽征夷大将軍」を今年読んでいたので、まだ良かったかも。 上巻は新田義貞が亡くなるところまで。この後の足利家の内紛はますます複雑になるわけだが、楽しみだ。 訳そのものは読みやすいが、話を選んでいる分飛び飛びになって違和感を覚えることもある。2023/12/16