- ホーム
- > 電子書籍
- > 教養文庫・新書・選書
内容説明
紫式部の人物像や交友関係を「日記」や「歌集」から描く。また、宮廷での女房の役割や生活、「物語を書くこと」の意味にも言及する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
127
大河ドラマ『光る君へ』では冒頭から、入内した女御が足を引っ張りあう光景を描いていた。平安貴族にとって娘が宮廷で営むサロンは重要な政治基盤であり、帝の寵愛を受けて男御子を生み、その子が皇位につくことが自らと家の繁栄に直結する狭い世界の争いは凄まじい。サロンの価値を高めるために優秀な女房は不可欠であり、宮中の女が争って読む『源氏物語』を書いていた紫式部は絶好の人材だった。式部を得た道長は宮中での政治闘争に勝利した一方、式部が道長の後援で自作を広めたしたたかな側面を見る。誰もが成功のため懸命な姿が浮かび上がる。2024/01/13
chietaro
7
やっかみを受けないように紫式部なりに一歩引いている姿は、現代社会と変わらない生き方かもしれません。男性貴族が源氏物語を用いた和歌を作ることに、宮中での流行を感じました。菅原孝標女が聖地巡礼で平等院に行ったことを読んで、私も過去に石山寺に行ったことを思い出しました。宮中に入って女房として働くことの意味について、初めて知ることも多く考えさせられました。2024/01/10
みかん
5
藤原公任の若紫への言及から始まる匿名性の高かった物語と源氏物語との比較と、彰子サロンの宣伝役としての式部の役割など、興味深く読んだ。そして物語が紡がれる原動力の支えになったであろう女性読者の心に触れるのは心地よい。2024/01/03
今Chan
4
紫式部が道長の召人だった説なるものがあるらしい。まだまだ勉強不足。大学受験のための教材としてしか、『紫式部日記』を見ていなかったことを反省しています。2023/12/13
もち
3
めちゃくちゃおもしろかった。召人という存在を知らなかったし、和泉式部日記もおもしろそうだ。道長の召人説もおもしろい。2024/04/01