内容説明
富豪の一族が久方ぶりに集った館で、偏屈な老当主が殺された。犯人は家族か使用人か。聖夜に起きた凄惨な密室殺人にポアロが挑む
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
280
クリスマスのうちに読み終わらなかった。無念。クリスティ作品の中でも、かなり最初の頃に読んでいた一冊で、当時は犯人の意外性がなかなかで好印象だった。三十年以上経過して再読してみると、トリックはチープだしポアロの謎解きも雑だしで、やはりクリスティは密室などの物理トリックではないなと再認識することとなった。クリスマス感も中途半端で、お得意のロマンス要素にも冴えがなく傑作にはなりえないけれど、王道な本格路線で、先に触れたように犯人の意外性はちゃんとあるので、佳作になるかならないかのライン上には置いてよいかも。2023/12/27
assam2005
28
義妹の「もっと血が大量に流れる元気で凶暴な殺人」というリクエストに答えてクリスティが書いたクリスマスのお話。「あの老人にこんなにたくさんの血があったなんて、だれが考えたでしょう」という言葉の意味を理解した時、謎は全て明かされる。12月22日から28日にかけてのクリスマスの休日に、灰色の脳細胞vs逃れられなかった真っ赤なたくさんの血。再読して気づいたのだけれど、あちこちにヒントとなる言葉は散りばめられていた。でも、なんてド派手な殺人現場。クリスマスカラーの赤が見事に映えます。2023/12/20
北風
17
全然、ポアロのクリスマスじゃないし、クリスマスっぽくもない。でも美男美女が多い。しかし、クリスマスに事件が起こるってだけなのが……。事件のきっかけは確かにクリスマスかもしれないけど、犯行の内容はクリスマスに全然関係ない。……いや、これはつまり、事件がポアロを呼ぶんじゃなくて、事件を呼ぶポアロだから、クリスマスは事件につきまとわれるという皮肉なのか!? とにかくいつも通りクリスティ節炸裂だった。そこはキレイに面白かった。2023/12/13
melonsoda
7
遺産相続、遺言状、盗まれた金庫のダイヤ…とベッタベタのベタの要素でしか構成されていないのに、べらぼうに面白い。微妙に感じていた違和感がラストで回収されていく気持ち良さ。クリスティの好きな部分が詰まった作品だった。極め付きは読後に読み返す冒頭のマクベスの引用…天才すぎ!2024/02/08
mao
7
今の季節にピッタリと購入。やっぱりクリスティーは面白い! 富豪の血族が集う館で起きた老当主殺し。血族、癖ありすぎだよ!きっとあの人だ!と思っていたのに、えーそう来たか!! 伏線回収も丁寧。ほんと面白い!2023/12/19