なぜ世界はそう見えるのか - 主観と知覚の科学

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なぜ世界はそう見えるのか - 主観と知覚の科学

  • ISBN:9784826902519

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内容説明

なぜ同じものを見ても、人によって捉え方が異なるのか? 事実の認識にズレを生む〈知覚〉の正体に迫る。


全員が同意する「客観的な世界」は存在しない


友人と一緒だと、坂の勾配がゆるやかに見える。
糖分を摂取すると、物までの距離を短く見積もる。
嫌悪感を抱きやすいと、政治的に保守になりやすい。

見る人によってはもちろん、同じ人でもその時々で、世界の見え方や物事に対する考え方は大きく違ってくる。
なぜ、そんなことが起きるのか?

事実の認識にズレを生む〈知覚〉の正体に心理学・科学的に迫り、個人だけでなく、社会や人類への影響までも俯瞰する。


:::::::::本書の推薦のことば:::::::::
人間というものを理解したい人は――それが部下に効率的に働いてもらうためであれ、人を幸せにするためであれ、他者の選択に影響を及ぼすためであれ――(……)人間の経験をとらえ直すところから始めねばならない。
――ハイディ・グラント『人に頼む技術』『やり抜く人の9つの習慣』著者

このうえなく刺激的で、読みやすい一冊。
――メルヴィン・グッデイル『もうひとつの視覚』共著者

だれもが蒙を啓かれ、読書の愉悦にひたることだろう。
――スコット・バリー・カウフマン『FUTURE INTELLIGENCE』共著者

目次

目次

はじめに おれは電熱の肉体を歌う

【第一部 行う】

第一章 発達する
歩くことを学ぶ/視覚の機能をとらえなおす/視覚的断崖とゴンドラ猫/手でつかめば世界が把握できる/ゾーンに入る

第二章 歩く
坂の傾斜はどのように知覚されるのか/歩行が生んだ人間の世界/表現型に沿った生き方/世界は伸び縮みする

第三章 つかむ
人間の手(と行為)は心を宿している/手が語る人類の歴史/見えないのに見えている/手が注意を誘導する/利き手が善悪を決める

【第二部 知る】

第四章 考える
ガットフィーリング/思考と生体エネルギー/流暢性/多様性が集団意思決定において重要なのはなぜか/フェイクニュースと身体化された思考

第五章 感じる
情動を知覚する/やれ、やるな/社会的痛み/感情の誤帰属とうつ/恐怖を感じると世界が歪む

第六章 話す
口と手のつながり/手を使って話す/インデックスは音声でも作られる/身体化された語源と記号接地問題/ボトックスと読解力との関係/動きによる読解

【第三部 帰属する】

第七章 つながる
心地よい接触がないと生きられない/皮膚は社会的器官である/MRIで手をつなぐ/友の存在が重荷を軽くする/母親と他者/絆の力/認知的加齢と社会的ネットワーク

第八章 同一化する
帰属する集団でものの見え方が変わる/他人種効果と没個性化/物語が持つ力/団結力の光と闇

第九章 文化に同化する
名誉の文化/文化相対主義/分析的思考と包括的思考/中国――稲作文化と麦作文化/社会的アフォーダンスと関係流動性

おわりに 歩くことで道はできる


謝辞
推薦図書
訳者あとがき
原註
索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アキ

112
とても面白い。今年のベスト本の一つ。原題は"Perception" 副題にHow our bodies shape our mindsとあるように、脳が身体を支配している訳ではなく、むしろ身体の状態によりわれわれの知覚が左右されるのだと言う主張。最もわかりやすい例が、坂道の角度を推測してもらう際運動能力の有無で推測する角度が異なること。それを「あなたは世界を見ているのではない。『あなたが見る世界』を見ているのだ」と表現する。他にも、言語の発生に手の動きが大きな役割を果たしてきたことなど、興味深い説はかり。2024/08/19

どんぐり

86
原題が「身体はいかにして心を形作っているのか」。第1部「行う」では、身体が知覚と行為をどのように結びつけているか、発達、歩き、つかむから解き明かす。その中心となる考えが、環境は私たちに何をアフォードするのか、環境と人間の相互作用がどのように知覚に現れるのかというアフォーダンス。次の第2部は「知る」で、考える、感じる、話す。身体が知覚と認知をどのように結びつけているか、そのありようから解き明かす。最後の第3部は「帰属する」。ここではつながる、同一化する、文化に同化するの3つを取り上げている。→2025/01/03

小太郎

35
「全員が同意する客観的な世界は存在しない」という帯の文句に惹かれて読みました。私たちが外界を認識するのは脳を通してであり、脳は色々噓をつく。というより人間の身体や心の状況によって見るものの尺度が変わっていくという説を実証的な実験(かなり恣意的なものあるけれど)を通して解説しています。認知科学系の本としては若干冗長なところはありますが刺激的な内容で楽しめました。★3.52025/04/06

原玉幸子

25
現代の認知心理学の実例集。人間の知覚は手により発達して来たことや、旧来の言語学の常識を疑うオノマトペ的な記号論は、先期推奨した、今井むつみ・秋田喜美『言語の本質』に繋がるところでも面白い論述でしたが、感覚器官としての皮膚、バイアス実験、孤独死等々への言及は、今や社会常識になって来ている事項なので、医学症例を辿った、アニル・アナンサスワーミー『私はすでに死んでいる』を読んだ時ほどの驚きはありませんでした。読み流してもいい、コスパ・タイパがいいとは言えない読み物でした。(◎2023年・冬)2023/11/03

hitomi

24
読売新聞の書評を読んで。めっちゃ面白かったです。同じものを見ているつもりでも思い込みや身体の状態によって人それぞれで全然違う世界を見ていることや、客観的にものを見るのは無理であることなどを知りました。「だから他者とはわかりあえない」と悲観するのではなく、違う世界を見ていると理解したうえで行動することが大事ですね。興味深い研究が多数あり、驚きながらも楽しく学ぶことができました。「思考は身体化されたものである」「あなたは世界を見ているのではない。『あなたが見る世界』を見ているのだ」という言葉に深く納得。2023/12/24

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