ちくま文庫<br> 増補 戦う姫、働く少女

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ちくま文庫
増補 戦う姫、働く少女

  • 著者名:河野真太郎【著者】
  • 価格 ¥935(本体¥850)
  • 筑摩書房(2023/11発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 240pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480439093

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内容説明

ポップカルチャーには現代女性の働きかたが反映されている――。異性愛と家父長制を否定した『アナと雪の女王』や、アイデンティティの労働がいかなるものかを示した『魔女の宅急便』、「無賃家事労働」の問題をラブコメにおとしこんだドラマである『逃げるは恥だが役に立つ』など、数々の映画やドラマを縦横無尽、クリアに論じた文芸批評を大幅増補・改訂して文庫化。

目次

はじめに/第一章 『アナと雪の女王』におけるポストフェミニズムと労働/革命的フェミニスト・テクストとしての『アナと雪の女王』/二人のポストフェミニストの肖像/トップ・ガールズとブリジットたちの和解?/シェリル・サンドバーグは存在しない──グローバル資本主義とその本源的蓄積/労働なき世界と「愛」の共同体/〔補論〕日本のポストフェミニズムと『アナと雪の女王2』/第二章 無縁な者たちの共同体──『おおかみこどもの雨と雪』と貧困の隠蔽/承認と再分配のジレンマ/『おおかみこどもの雨と雪』と貧困の再生産/ポスト・ビルドゥングスロマンと成長物語の変遷/『ハリー・ポッター』、『わたしを離さないで』と多文化主義/無縁な者たちの共同体/コーダ──現代版『ライ麦畑でつかまえて』としての『僕だけがいない街』/〔補論〕インターセクショナリティと究極の包摂社会/第三章 『千と千尋の神隠し』は第三波フェミニズムの夢を見たか?──アイデンティティの労働からケア労働へ/フェイスブックという労働/『魔女の宅急便』のポストフェミニズム/『千と千尋の神隠し』は第三波フェミニスト・テクストか?/『逃げるは恥だが役に立つ』?──依存労働の有償化、特区、家事の外注化/〔補論〕亡霊としての第三波フェミニズムとケア/第四章 母のいないシャカイのユートピア──『新世紀エヴァンゲリオン』から『インターステラー』へ/スーパー家政婦、あらわる/『インターステラー』の母はなぜすでに死んでいるのか?/『インターステラー』の元ネタは『コンタクト』なのか?/『コンタクト』と新自由主義のシャカイ/セカイ系としての『インターステラー』/『エヴァ』とナウシカのポストフェミニズム/コーダ1 AIの文学史の可能性──『ひるね姫』と『エクス・マキナ』/コーダ2 矛盾の回帰?──『ゴーン・ガール』と『WOMBS』/〔補論〕シャカイから遠く離れて/第五章 『かぐや姫の物語』、第二の自然、「生きねば」の新自由主義/「生きろ/生きねば」の新自由主義/『風の谷のナウシカ』における技術と自然の脱構築/技術と自然の脱構築と労働の隠蔽/『風の谷のナウシカ』、『寄港地のない船』、(ポスト)冷戦の物語/罪なき罰と箱庭/〔補論〕ナウシカの時代と人新世/終章 ポスト新自由主義へ/没落系ポストフェミニストたち/主婦が勝ち組?──ハウスワイフ2・0から『逃げ恥』へ/セレブ主婦の蜃気楼/貧困女子の奮起/エイミーたちの願いとジンジャーたちの連帯/おわりに/文庫版へのあとがき/参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ばんだねいっぺい

27
まぁ、しょうがないんだけども、読み解くとアニメの夢と希望が剥がされる。「生きねば」は、そんなのに悪いことなのか。どうにかできるものであれば、どうにかするべきではあるが。2023/10/24

阿部義彦

11
ちくま文庫直近の新刊。買うには買いましたが、うーんそもそもアニメ見ない自分には理解が追い付かない面が多々ありすぎました。「アナ雪」「魔女の宅急便」「千と千尋の神隠し」「風の谷のナウシカ」「エヴァ」「おおかみこども」等をテキストとして、労働の再分配や無縁社会そして何よりもポストフェミニズムに関して論じています。フェミニズムにも第2波、第3波、第4波まで有るそうです。『逃げるは恥だが役に立つ』まで出てきた日にはもう理解不能で何とか読んだけどうーんという感じ。斎藤美奈子さんの『紅一点論』は楽しめたのに。残念2023/09/30

Decoy

2
かねてから気になっていた本が、増補・改訂して文庫化されたので、早速購読。労働論・社会論からポピュラー・カルチャーを解説するのかと思いきや、逆だった(「はじめに」で早々に「ポピュラー・カルチャー論としてはそもそも構想されていない」と述べられている)。文章はこの種の本としては驚異的に読みやすく、論旨も極めて明快であるが、やや牽強付会な感も…。とはいえ、著者がノリノリで解釈を楽しんでいる感じが伝わってきて、読後感も爽快。2023/09/20

Mits

1
アニメは実写やドキュメントと違って偶然性が全くなく、監督が意図しないものは絶対に画面に映らない。その結果、監督が意識しているにせよ無意識にせよ、世相が反映されて「しまう」もの。だから、こういう深読みもアリなんだとは、宇野常寛で知った。 この著者が読み解くように、フェミニズムの結果である対立や搾取の構図が「反映されてしまった」のだとすれば、それはとても残酷なことで、ちょっと泣きたくなってしまった。まぁでも、それに気づくところが多分、出発点なのだよね。2023/12/18

せんじつ

1
食わず嫌いしていた『かぐや姫の物語』見ようかなぁ……。 もっと入門編みたいなものから読めばよかった、ちょっと難しいところがあったので。 それでも終章の「連帯」への叫びは心にきた。 2023/11/09

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