かや書房<br> 光と影のTSMC誘致

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かや書房
光と影のTSMC誘致

  • 著者名:深田萌絵【著】
  • 価格 ¥1,650(本体¥1,500)
  • かや書房(2023/10発売)
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  • ISBN:9784910364391

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内容説明

日本の大手メディアは、日本は人件費が高いために競争力を失ったと吹聴しているが、TSMCという企業がどのようにして高い利益率を維持してきたか、その実態を語る人間は少ない。半導体製造工場は大量の有害物質、有毒物質、発がん性物質や重金属が気体、液体、個体の形態で排出される。それらの物質を無害化するのに、気体や液体は種類ごとにフィルターや除害設備を必要とし、個体は産廃処分費がかかり、その環境対策費用がかなり重たいのである。日本やアメリカは環境を守るために利益を犠牲にし、台湾の半導体製造業をはじめとする企業は利益を優先した。そのため、台湾は河川の約25%、農地の約5%を重度の汚染で失った。人工透析率は人口比で世界首位、肺がん率は北朝鮮に次いでアジア第2位である。中国のTSMC工場の周辺住民すら、TSMC建設反対運動を行うくらい酷い有り様だ。そして、その杜撰な管理体制から、TSMCアリゾナ工場では建設中に2名の死者を出した。ただし、そのような実態を台湾メディアが報じても、日本ではほとんど報じられることはない。それは、日本が報道の自由ランキングで世界68位(2023年)、G7で最低だと評されるのと関係があるのかもしれない。(略) 本書は、外資であるTSMCの誘致についての疑惑、彼らが台湾で起こした環境問題、そして熊本の環境規制対応の杜撰さ、現行の環境関連法が完全ではないということに警鐘を鳴らす。最後に、水俣病を経験した熊本が今後の熊本の環境や市民の健康を守るために何ができるのかということについて提案する。 誰も書きたがらないなら、自分で書こうと筆を執ろうとしたところ、環境問題について意識の高い方々が執筆陣に加わってくださった。 (「まえがき」より)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

川越読書旅団

18
今後のTSMCの動き要注視か!!2024/04/20

nobu23

4
経済的なメリットがよくアピールされる、熊本県のTSMCの半導体工場誘致のマイナス面を描いた本。 台湾やアメリカの半導体工場で起きている環境問題を多く取り上げて、これから熊本でも起きるのではという懸念が書かれている。2024/01/14

kentake

2
熊本県の菊陽町にTSMCの工場が新設され、先週開所式が開催された。関連産業も含めた雇用者の増など、工場の稼働が経済に及ぼす影響は極めて大きい、など明るい話題が多く報道されているが、本書ではTSMCが本国の台湾で引き起こしている様々な環境問題に注目し、同様の問題が熊本でも懸念される点について問題提起している。半導体の製造工程では大量の水と重金属類が使用されるが、我が国の環境法令では、その影響を十分に把握・管理することが難しいという。 第二の水俣病が発生することがないよう、関係者の良識と叡智に期待したい。2024/03/03

はる

2
確かに環境には良くないのだろうなと思ってます。熊本の地下水だって、将来どうなるかわかりませんね。熊本市の水道水って100%地下水なので。今も阿蘇の裾野の山林を切り開いて何かわからないけど、こそこそ作ってるみたいですし。ただ、執筆の方々の話の中には、確証に乏しいと思われるものもいくつか散見されます。その部分はちょっと弱いと思うし、鵜呑みにするわけにもいかないと思いました。2024/02/13

古本虫がさまよう

2
今回の本は、深田氏の単著ではなく、熊本生まれの森野ありさ氏なども共同執筆している。理系的な知識は乏しい我が身。本書で展開されている細かな事例について判断しかねるところもあるが、要は、水俣病ではないが、公害が発生する可能性も多々あり、血税を投入してまで、こういう半導体工場を建設する必要があるのかといった視点からの問題提起をしている本だった。2024/01/09

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