内容説明
大学の同級生だった麻矢、璃子、友梨香。卒業後疎遠だった3人は、三十代半ばで璃子の離婚騒動をきっかけに再び集まるようになる。既婚、バツイチ、子持ちと立場は異なるが夫への不満という共通点のある彼女たちの集まりの最後は、大抵この言葉で締めくくられる。「うちの夫、死んでくれないかしら」。そんなある日、麻矢の夫が何の前触れもなく姿を消してしまう。会社も無断欠勤しているらしい。夫は一体どこへ、夫の身に何が起こったのか――。誰もが、結婚前にはいいことしか言わない。どうして教えてくれなかったのだろう、結婚した後に、激しい孤独や、生活の虚しさや、将来への不安を抱えることなんて。結婚の本質と危うさに迫る、ノンストップ・ミステリ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
fwhd8325
187
丸山さんは、あとがきに作品の傾向に変化はないと書かれていますが、タイトル、内容ともドキッとしました。何が幸せなのかって考えてしまいます。2023/12/27
いつでも母さん
181
何ともストレートなタイトルにマルちゃん方向転換?って思ったのは私だけでしょうか?どんな感じなのかと読み始めたら・・なんだろうこのもやもや感は。愚痴はこぼしてるだけに留めよう(汗)30代半ば大学の同級生の3人の彼女たちを危なっかしくてハラハラドキドキしながら、ページを捲った。そのスピードは加速して、そして、え?こんな顛末なのか・・な感じ。彼女たちの縁(友情じゃないよね)はこの先も続くの?(考え直すことをお勧めしたいと私の本音が漏れる)作者あとがきのラスト一行、マルちゃんは違うのね(笑)2023/11/08
hirokun
163
★4 『夫よ、死んでくれないか』の表題は大変インパクトがある。既婚女性の気持ちがある程度は率直に描かれているのかなと思いながら読み進めた。一方、推理小説としても興味深く読め、ダブルの面白さ。結婚生活は、恋愛時期と違うのは当然のこと。二人の血のつながりもない別人格に対し、何を求め、何を与え、何を創造するのかは難問だ。別の本を読んだ時も感じたことだが、ビジネスマンの現役時代は、仕事にかこつけて、夫婦間の対話を手抜きしてきたことに現在では痛く反省している。今は、一つ一つ言葉に出して交流する事に注力している。2023/12/03
Karl Heintz Schneider
148
丸山さんのこれまでの著作はいずれも、ハンディキャップを背負った人々がテーマだった。この作品は、それらとは一線を画しており、従来の物語を期待すると違和感を持つかもしれない。正直言うと、デフ・ヴォイス・シリーズのような社会的弱者を扱った作品の方が好きだ。あとがきで著者はこう語っている。「刑事何森・逃走の行方を読んだ方なら本書の趣旨が理解できると思う。」え?そーなの?読んだけど全然理解できないんだけど。これはひとえに私の読解力不足なのだろう。2023/12/01
のりすけ
145
机の上に置いといたら旦那が「ええええ?」って顔をしていた。安心してください、KILLしたりしませんから。大学時代の仲良し3人組(ヲイヲイ、あんたたちいくつなのよ…)が、あたふたするストーリー。妻が「夫死ねや」と思ってるのと同じくらい夫も「嫁死ねや」って思ってるかもしれへんな~とは思った。2024/03/14