法、政策、そして政治

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法、政策、そして政治

  • 著者名:那須耕介
  • 価格 ¥6,050(本体¥5,500)
  • 勁草書房(2023/11発売)
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  • ISBN:9784326404308

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内容説明

2021年に早世した法哲学者・那須耕介には「法哲学」「公共政策学との交錯領域」「『思想の科学』的な問題意識」の三本の柱があった。本書は二つめの柱に連なるテーマについての那須らしさ溢れる論文を集めた。恩師の田中成明、研究仲間の浅野有紀、佐野亘による寄稿も加わり、那須の仕事の独自性が鮮やかに描き出される。

目次

刊行に寄せて[田中成明]
序文[浅野有紀]

第I部 法、政策、そして政治

第1章 法の支配の両義性について――複眼的な法的思考のために
 1・1 はじめに――言説母胎としての「法の支配」
 1・2 法の支配をめぐる諸見解
 1・3 言説母胎としての法の支配
 1・4 おわりに――葛藤の受容

第2章 政治的思考という祖型――政策的思考はどこから出てくるのか
 2・1 設問と訓練
 2・2 政策過程へのふたつのまなざし
 2・3 原型としての政治的思考
 2・4 政策的思考と法的思考
 2・5 「革命」の狂気とその受け皿

第3章 市民社会とその非政治的基盤について――市民の自由と公民の徳
 3・1 はじめに
 3・2 市民性と市民社会
 3・3 市民的自由から公民的徳性へ

第4章 サヴァイヴィング・ファミリィズ
 4・1 「家族」と「親密圏」のあいだ
 4・2 サヴァイヴィング・ファミリィズ
 4・3 法制度、家族政策への含意

第II部 自由と規則のはざまで

第5章 自由と市場の正義
 5・1 はじめに
 5・2 局所的知識のネットワークとしての市場――ハイエク
 5・3 自己所有権の公理系――ノージック
 5・4 課題と可能性

第6章 環境ガバナンスの政治的条件について――民主的な環境ガバナンスにおける専門家の役割を求めて
 6・1 “不協和”を手がかりに
 6・2 与件と課題
 6・3 「環境倫理学」再考
 6・4 環境ガバナンスの諸原則と専門家の役割
 6・5 政治原理としての「環境倫理」の可能性

第7章 「法と道徳」を教える――あるすれ違いについてのおぼえがき
 7・1 はじめに
 7・2 学問分野・実践領域の概念的区別
 7・3 道徳の内面性、法の外面性
 7・4 パターナリズム、モラリズム
 7・5 法的思考の理論と合法性の概念
 7・6 モラリズムの相対化
 7・7 「政治道徳」とはなにか
 7・8 おわりに

第8章 可謬性と統治の統治――サンスティーン思想の変容と一貫性について
 8・1 はじめに
 8・2 サンスティーンの思想とその変遷
 8・3 今後の検討に向けて

第9章 リバタリアン・パターナリズムとその十年
 9・1 十年後のリバタリアン・パターナリズム
 9・2 リバタリアン・パターナリズム論おさらい
 9・3 論争
 9・4 考察
 9・5 おわりに: 抗いがたい魅力と潜在的代償

第10章 公教育と機会の平等――現代正義論に対する厚生経済学の影響の一側面
 10・1 平等論への接近:センの洞察から
 10・2 機会の平等と厚生の平等:運平等主義とリベラルな自己抑制
 10・3 公教育における機会の平等
 10・4 小括:規範理論と社会科学の役割

後記[佐野 亘]
那須耕介略歴
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