気はやさしくて力持ち

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気はやさしくて力持ち

  • 著者名:内田樹【著】/三砂ちづる【著】
  • 価格 ¥1,980(本体¥1,800)
  • 晶文社(2023/10発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 540pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784794973856

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内容説明

子育てにおいて、いちばん大切なことは「子どもに対して敬意を以て接すること」
男の子の親にも、女の子の親にも読んでもらいたい、旧くてあたらしい子育て論。


男手で女の子を育てた内田先生と、女手で男の子を育てた三砂先生。共に「離婚して子どもを育てた親」であるふたりによる、誰も書かなかった子育て論。最優先にされるべきは、「子どもに対して敬意を以て接すること」。いまの時代にあわせてアップデートされた、旧くてあたらしい子育て論にして、すべての子育て中の親たちと、育てられ中の子どもたちへ贈る、あたたかなエール。

「子どもを育てる、ということは、許されることを学ぶことだ、と思います。(…)子どもを持った時点での親の成熟なんて、たかが知れているし、親自身が生きてきた時代と環境とに抜き難い影響を受けながら、なんとか生き延びようとしているような不完全な存在なのですから、かならず、間違います。よかれ、と思ってやったことも、間違っているかもしれない。」(三砂ちづる)

「僕は未熟な親として子育てをしてきて、ある時点で、「子どもを愛すること」と「子どもを傷つけないこと」では、「子どもを傷つけないこと」の方を優先させるべきではないかと考えるに至りました。(…)「子どもを愛しているから」「子どものことを心配して」「子どもの将来のことを考えて」という理由で子どもを傷つける親が実に多いということを骨身にしみて知ったからです。」(内田樹)

子育てって困難でしょうか?/子どもは手離すときがむずかしい/親子関係で決定的に重要なこと/子育てにおける母語の意味/性教育はナナメの関係で/感情のカタログを増やす/親を許すこと、親から許されること/生きているなら、それでいい/一度は死んだもの、と思って育てる/「女の社会」にも「男の社会」にも逃避できること/「〈それ〉を何と呼ぶか」よりも「〈それ〉をどう扱うか」/複雑な現実は複雑なままに/今日を機嫌良く生きていくことができたら/……子育てで悩み迷うひとに響く言葉が満載。

目次
■第1便 寄り道しながらはじめましょう
第1便A 子育てって困難でしょうか? 三砂ちづるより
第1便B 子どもを手離すときのむずかしさ 内田樹より

■第2便 感情とのつきあい方
第2便A なぜすべてにそう悲観的なのでしょう? 三砂ちづるより
第2便B 親子関係で決定的に重要なこと 内田樹より

■第3便 子育てにおける母語の意味について
第3便A 性教育はナナメの関係で 三砂ちづるより
第3便B 感情のカタログを増やす 内田樹より

■第4便 親を許すこと、親から許されること
第4便A ぼんやりすることで得られる力 三砂ちづるより
第4便B 生きているなら、それでいい 内田樹より

■第5便 家族をむずびつけるもの
第5便A 一度は死んだもの、と思って育てる 三砂ちづるより
第5便B 家族とは「想像の共同体」 内田樹より

■第6便 『細雪』の世界から
第6便A 「女の文化」と「男の文化」の絡み合い 三砂ちづるより
第6便B 「女の社会」にも「男の社会」にも逃避できること 内田樹より

■第7便 野生と文明のあわいにて
第7便A  女性の身体性は取り戻せたか? 三砂ちづるより
第7便B 「産めよ殖やせよ」の逆説 内田樹より

■第8便 「母性」なるものをめぐって
第8便A 母性活性化スイッチ 三砂ちづるより
第8便B 「〈それ〉を何と呼ぶか」よりも、「〈それ〉をどう扱うか」 内田樹より

■第9便 複雑な現実は複雑なままに
第9便A 人間が太古から物語を使って行ってきたこと 三砂ちづるより
第9便B 「真のリアリスト」と「リアリストもどき」を分かつもの 内田樹より

■第10便 「ものすごく気持ちの良いこと」を経験する
第10便A 自分を手放せること/自立していくこと 三砂ちづるより
第10便B 自我が消えてしまう時の解放感と愉悦 内田樹より

■第11便 没入すること、10歳前後であること
第11便A 当時の女の子たちは失神していた 三砂ちづるより
第11便B 師に全幅の信頼を置く 内田樹より

■第12便 長い時間軸の中で考える
第12便A 無条件に愛され、無条件に見守られること 三砂ちづるより
第12便B 大人たちから子どもを守るために学校は生まれた 内田樹より

■最終便 子育てにおいて、時代が変わっても変わらないもの
最終便A 今日を機嫌良く生きていくことができたら 三砂ちづるより
最終便B 親族が存続するために最もたいせつなこと 内田樹より

長いあとがき 三砂ちづるより
短いあとがき 内田樹より

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

けんとまん1007

48
手紙の持つ力・世界を感じる往復書簡。書くという行為、読み返すという行為、時間をかけるという意味。時間をかけながら書簡を取り交わすことで、思考がどんどん変化していく面白さがある。子育てが主たるテーマではあるが、そこに留まらないように思う。身近な存在である子どもとの関係を、どう考えて、どう営んでいくのか。時間の経過とともに、自分自身も子どもも周囲も変わっていくことを、時間をかけて受け入れていくことから始めるのだなあ~と思う。それが、次につながる。2023/11/26

呼戯人

16
離婚して、男手一つで娘を育てた内田樹と、離婚して女手一つで息子二人を育てた三砂ちづるの子育てを巡る往復書簡。具体的にこんなことに困難を感じてそれをどう乗り越えたかというような話は少なくて、なんだか著者たちの幅広い教養は十分に感じるのだけれど、具体的なアドバイスとか勘所とかここが難所とかそういう山場が少ないのでちょっと残念な感じ。私も67歳になって、5歳と2歳の孫と一緒に暮しているので、それも自閉スペクトラム症の孫の育て方に苦慮しているので、もう少し具体的なアドバイスが欲しかった。2024/01/16

スズコ(梵我一如、一なる生命)

11
古老のようなポジションで、と途中言っていたけど本当そんな感じ。男の子の片親育児がテーマなはずなのに、全然そんなことなく子育てにとどまらず親となった後の自分の生き方とか日本の今とか、色々脱線しまくっている。そして愛着一辺倒みたいな感じでなくて、(離婚経験者だからか)子供に許して貰うしかないというところから始まっていて偉そうなところがない。終わりにで、子育てが終わった人にとってはあれは何だったんだと理解する一助になればってあったけど納得。今すぐ何するって話しでなくて、少し遠い広い視線に立たせて貰って楽しめた。2024/01/21

えりー

5
親自身が成熟していることが大事。。。おっしゃる通りです。が、現実は私はまだまだまだまだ未熟者だ。。。そんな未熟な私に育てられてる息子はどうなるの。苦笑 最終章のところが、個人的に一番読みごたえありました! また時間をおいて再読したい1冊です。2023/12/21

ことり

4
子育てをする親も完全ではなく子もそれぞれ。離婚し子育てを終えた内田先生と三砂先生。お二方とも離婚したことに負い目を感じている様子。もしかしたらそのくらいの方が子にとってはいいのかもなぁ?と感じた。イエズス会が学校を作った理由が大人から子供を守るためだったとは。しかし子供を守るはずの学校が子供を害するというのは皮肉。2023/12/31

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