ヒトラーはなぜ戦争を始めることができたのか――民主主義国の誤算

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ヒトラーはなぜ戦争を始めることができたのか――民主主義国の誤算

  • ISBN:9784750518176

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内容説明

《 民主主義の危機から、戦争は現れる 》

格差、移民、差別、陰謀論……分断社会に解決策を示せないリベラル諸国。
渦巻く不安と不信、露わになるナチズムの脅威。
アメリカを代表する歴史家が描く、緊迫の第二次大戦前夜。

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「他国が脅威として現れたとき、民主主義はどう対応すればいいのか」
「自国のリーダーが無謀で危険、あるいは無能とわかったとき、私たちはどう行動すべきか」

平和を望む民意を背景に、ヒトラーに譲歩を重ねる英首相チェンバレン
ナチの脅威を一人訴え続けるチャーチル
孤立主義の立場から機を窺う米大統領ローズヴェルト
国内で粛清の嵐を吹き荒らすソ連のスターリン

様々な思惑が交錯しながら、世界は戦争への道を進んでいく──。

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アメリカを代表する歴史家が、1930年代から40年代初頭における民主主義の危機と覚醒を鮮やかに描く。
〈 『ドイツ人はなぜヒトラーを選んだのか──民主主義が死ぬ日』続編 〉

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【目次】
■主な登場人物
■プロローグ……民主主義の危機

〈 PARTI・危機 〉
■1……首相の野望──「生存圏」の拡大
■2……グライヴィッツ市で何があったのか──ポーランド侵攻のきっかけ
■3……「同罪」──赤軍将校の命運
■4……「計画は模索中」──チャーチル、チェンバレン、ローズヴェルト
■5……「王は、ここでは理解していらっしゃる」──スキャンダル
■6……「将来がとても心配だ」──イギリス空軍戦闘機、スピットファイア
■7……鉄格子をこすり続ける──移民受け入れ

〈 PARTII・ミュンヘン 〉
■8……「これだ、私が求めていたのは!」──将官たちの企て
■9……「この危険という茨のなかから」──ミュンヘン会談
■10……銃口を突きつけられて──民主主義の苦難
■11……「不和の種を蒔く」──分断と差別

〈 PARTIII・戦争 〉
■12……「国民のみなさんに申し上げねばなりません......」──宣戦布告
■13……「これがプロイセンの将校か!」──指導者への抵抗
■14……「力を合わせて、ともに進もうではありませんか」──就任演説

■エピローグ……「始まりの終わり」──大西洋憲章

■訳者あとがき
■参考文献
■主な出来事

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

田中峰和

7
まず、1930年代のヒトラーの演説が現代の独裁者プーチンと類似していることを指摘する。プーチンはウクライナ侵攻するとき、ロシア系住人をナチから守るためと言い訳していた。自らがヒトラー以上の独裁者なのに、厚顔無恥の男は国民を鼓舞する。今や、ウクライナ戦争はロシアとアメリカの代理戦争で、イスラエルのガザ侵攻によって様相は変化し、米国援助が途絶えウクライナは近々降伏するだろう。ナチ征服の当時、孤立主義の立場から気を窺っていた米大統領ローズベルトに対し、英国のチャーチルはその脅威を訴え続けた。対露政策はいかに。2023/12/20

Jessica

3
ドイツ史の研究家としても名高いアメリカ人研究家ベンジャミン・カーター・ヘットによる民主主義とその脆弱性、あるいは現在と第二次世界大戦時の類似の指摘。 ヒトラーだけでなく、当時の情勢、チャーチルやチェンバレン、ルーズベルト、スターリンも登場しその流れや背景を分析している。 「計画は模索中」と語ったルーズベルト然り、戦争を行なっていくことに目標を作っていかないといけないということに少し驚き、戦争をやって人が無駄死にしていく惨事をいつまで続けるのだろうと現在に至る人類の浅はかさにがっかちする。2024/03/13

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