内容説明
昭和史の暗部をその作品でえぐり続けた松本清張と、戦争体験を教訓として語り続けた半藤一利。
2人はかつて作家と編集者として共闘し、軍事の復活に警鐘を鳴らし続けたコンビでもあった。
両者をよく知る保阪正康氏などにも取材し、その先駆的な仕事を再検証するノンフィクション。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
108
現在の政治状況が、昭和史が辿った道程と酷似しているとして、松本清張さん・半藤一利さんの言葉を引用しながら警鐘を鳴らす一冊。あの「三矢研究」が安倍政権の安保法制の原型に見える:米軍の戦略に随伴する自衛隊、自衛の限界を超える攻撃性、自民党改憲草案の緊急事態条項、特定秘密法案の言論情報統制、防衛省設置法の改正による文民統制の機能不全。安倍・菅政権の官邸主導は、参謀本部の小集団エリートへの権力集中がこの国を破滅に導いた歴史を思い出させる。昭和史の過ちを追従している状況下で、憲法改正が叫ばれることの怖ろしさを思う。2024/02/20
ひかりパパ
8
松本清張と半藤一利の接点を知る。昭和史を学ぶことが非常に大事であることを痛切に感じた。2024/02/26