内容説明
「まずは親子の対話から」なんて信じてはいけない。引きこもりは、親子が理解し合って解決することもあれば、理解し合えないと分かって解決することもある。家族をひらき、第三者を介入させよ。「解決なんて無理」と諦めるなかれ。一歩踏み込む「おせっかいな支援」をすれば、ほとんどの引きこもりは自立可能なのだ――。支援活動を30年続けてきた団体創設者による、引きこもり問題への最終回答。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
華形 満
8
直接関わりのある問題ではないが、興味ある社会問題ではあるので一読してみた。恐らく大多数の人がこの問題を「親の甘やかし」が原因だとの誤解をしている様で、それが今日まであまり真剣には議論されず放置されてきたのではないかと思える。若い時に発症したまま親をはじめ周囲が何もこれといった対策を講じる事なくそのまま年齢を重ねてしまうと、親による子殺し、子による親殺しだけでなく、同居の親が高齢で死亡しても、そのまま放置という事態を招くなど重大事案に発展してしまう危険性は十分認識出来た。ただ7割は自立できる根拠が薄い。2024/02/23
なこ
7
「本人がそれで良いならそれで良い」という意見に疑問を感じ読んだ本。「いたくて家にいる訳じゃない。そこが一番マシだった」という言葉からも、耐えられない苦痛から逃れられる場所が自宅しかなかったというだけで、根底にある様々な問題が引きこもりという形となって表出しているのであり、そのままにしておいて良いとは思わない。 療養期間として1〜2年は必要だとしても、3年以上は変化への恐怖や思考の停止から膠着している可能性が高く、家族の話をただ聞くだけの支援より、強制的にでもアプローチをかけた方が良いように思う。2023/11/29
Asakura Arata
6
とにかく親元から離すことだな。しかし離れても引きこもっている人もいるがなあ。それで幸せならいいのだろうがな。2024/02/12
乱読家 護る会支持!
5
実は、我が家も当事者家庭です。。。 何度か危機的な状況になり、その都度その都度、第三者の助けを受けつつ、一つ一つ乗り越えてきたという実感があります。 子どもは様々な環境変化や体験によって成長していきます。 親子だけで問題が解決しないのは、子どもの成長機会がないからだとも言えます。 親御さんが罪悪感を持ってしまうと、なかなか前にも進まないようにも思いますし、親が専門家である必要は全くないと思います。むしろ、親が心理学など専門的なことを学ぶ方が、子どもの成長の足枷になるように思いますね。2024/02/18
みう
3
【図書館】引きこもり当事者が読んでみた。私の場合はこの本に出てくる成功例にぴったりあてはまるわけではないが、とてもいい本だと思う。全引きこもりの親御さんに読んでいただきたい。親子間での価値観の違いや第三者が介入し親子を離すことの重要さが書いてある。私も自立するために親から離れたい。電子版買おうかな。※2023年10月出版 ✕「働きなさい」〇「幸せになって」/✕「どんな仕事がしたいの?」〇「一番イヤじゃない仕事で食い扶持を稼げ」2024/02/07