アートベース・リサーチの可能性 - 制作・研究・教育をつなぐ

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アートベース・リサーチの可能性 - 制作・研究・教育をつなぐ

  • 著者名:小松佳代子
  • 価格 ¥4,950(本体¥4,500)
  • 勁草書房(2023/10発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
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  • ISBN:9784326800650

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内容説明

アートベース・リサーチ(ABR)をめぐる状況は、ここ数年で大きく展開している。ABRは従来の人文社会科学の研究にアートを入れることで、言語的な記述や客観的な分析だけでは捉えきれない、人間の感情や身体的感覚に迫っていく。また、アート活動そのものが研究でもある。アートベース・リサーチの現在地がわかる一冊。

目次

はしがき

第I部 ABRの理論的展開

第一章 ABRの背景と現状[小松佳代子]
 第1節 ABRの由来
 第2節 ABRの特徴
 第3節 ABRの課題

第二章 アート研究としてのABR[小松佳代子]
 第1節 ABRとアート表現
 第2節 ABRを標榜する三つの展覧会
 第3節 ABR実践における「芸術的知性」

第三章 ABRの社会的可能性[小松佳代子]
 第1節 ビースタのアート/教育論
 第2節 アートの社会性
 第3節 アートと市民性教育

第II部 ABRの実践─制作者の思考と探究

第四章 絵画制作というトートロジー──小川洋子『ことり』から制作の思考をたどる[さかいともみ]
 はじめに
 第1節 『ことり』と重なる制作の姿
 第2節 作品制作とその受容
 第3節 自分の作品の作者であるために
 おわりに

第五章 星屑に星座を与える──ファウンド・フォト作品の制作実践[飯塚 純]
 はじめに
 第1節 星の光
 第2節 アーカイヴ
 第3節 エフェメラ
 第4節 アルバム
 第5節 星座
 おわりに

第六章 西郷隆盛像を作れなかった塑造家・藤田文蔵──近代日本彫刻の裏面史を紡ぐ[竹本悠大郎]
 はじめに
 第1節 藤田文蔵が忘れられたわけ
 第2節 西洋画塾・彰技堂の美術教育
 第3節 工部美術学校時代
 第4節 幻の西郷隆盛像
 第5節 女子美術学校を建てた東京美術学校教授
 第6節 肖像彫刻の芸術根拠
 おわりに

第七章 文字によるアートの旅──タイポグラフィとの距離から[長島さと子]
 はじめに
 第1節 絵具から色の名前へ
 第2節 コンセプチュアル・アート(Conceptual art)における言語の優位性
 第3節 アーティスト・ブックとタイポグラフィ
 第4節 文字による絵画へ
 おわりに

第III部 芸術的知性による教育の可能性

第八章 R・アルンハイムから紐解く「目で考える」ということ[石黒芙美代]
 はじめに
 第1節 アルンハイムの理論を読み解く
 第2節 学生の作品から視覚的思考について具体的な理解を試みる
 第3節 ABRに対する私見
 おわりに

第九章 美術と美術教育の分断を越えるために──ポーランドの美術教育を手がかりに[南雲まき]
 はじめに
 第1節 美術と美術教育をめぐる経験から
 第2節 ポーランドの歴史と表現の関わり
 第3節 ポーランドにおける美術教育
 第4節 ポーランドの美術教育における絵画分野
 おわりに

第一〇章 〈驚くべき出来事〉に見るパラダイム転換と芸術的知性──アーティストワークショップのエピソードから[竹丸草子]
 はじめに
 第1節 「接面」において間主観的に分かる
 第2節  福祉現場でのエピソード
 第3節 学校でのエピソード
 第4節 「銀行型教育」に覆われた価値観のなかで
 第5節 インタビューから見えた学校でのアーティストの役割
 第6節 人々の表現を引き出すアーティストの専門性
 おわりに

あとがきに代えて
謝  辞
事項索引
人名索引