江戸の骨は語る - 甦った宣教師シドッチのDNA

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江戸の骨は語る - 甦った宣教師シドッチのDNA

  • 著者名:篠田謙一
  • 価格 ¥1,650(本体¥1,500)
  • 岩波書店(2023/09発売)
  • ポイント 15pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784000223027

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内容説明

2014年7月24日.東京都指定の史跡「切支丹屋敷跡」で三体の人骨が発見された.その一体は,新井白石が尋問し,藤沢周平が『市塵』に描いた江戸中期の宣教師(1668─1714)ではないか? 300年の時を経た鑑定が,国立科学博物館ではじまった.最先端の科学をもってすればこの謎は解明できるのか? スリリングな2年数カ月を克明に描く.

目次

はじめに
1 宣教師シドッチと切支丹屋敷の発掘
2 運び込まれた人骨の形態学的な特徴
3 DNA分析の基礎
4 DNA分析を開始する
5 次世代シークエンサによる分析のスタート
6 核ゲノムの解析
7 復顔プロジェクトと結果の公表
8 古代ゲノム研究の最前線
おわりに
参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さつき

67
江戸時代に日本へと潜入した宣教師シドッチの遺骨が発見されたというニュースは何となく聞き覚えがあったけれど、詳細は全く知らずに読みました。三つの墓から三体の遺骨が発見され、史実からおそらく一体はシドッチではないか…という所から始まります。ミトコンドリアDNA分析で一体がヨーロッパ系であること、更に核ゲノムの解析でトスカーナのイタリア人のバリエーションに入ることが判明する流れはエキサイティング!また、研究者と行政の思惑の違い、展覧会企画の裏側も垣間見れ興味深かったです。2023/05/27

yyrn

12
江戸中期、幕府に捕らえられ長年幽閉されたイタリア人宣教師のものと思われる骨が2014年の東京で、切支丹屋敷跡地の工事現場から見つかった。果たしてそれは、その後の日本に少なからず影響を与えたシドッチのものか?という興味深い出だしに引き込まれて読み始めたが、歴史探求のハズが、最先端のDNA解析の話を聞く羽目になってしまったのには驚いたが(仕事の悩みもなんのその)実に面白い本だった。DNA解析結果がN,R,U,Hならヨーロッパ人、Lならアフリカ人、Mならアジア人なんだと。ハプログループと言うらしい。当然その骨は2018/06/12

みいやん

11
東京の史跡「切支丹屋敷跡」で発見された3体の人骨を鑑定していく過程がDNAの知識もふくめて語られている。科学的な面はわかったような、よくわからないような… でも鑑定にすごい手間と費用がかかるのはよくわかった。2018/06/09

Aby

7
同僚からの推薦図書.東京都文京区の切支丹屋敷跡から発掘された人骨は,誰なのか.DNA解析によって,人骨の由来(どこの出身か)を特定していく.現在では種の分類にゲノム解析が不可欠になっているが,このようにして古い人骨を分類しているのかと,非常に興味深い.旅費が出ないのに会議に呼ばれるなど,研究者としてのぼやきも満載w 今は高校の生物で PCR を学習するが,古い知識だと話についていくのが厳しいかも.分からない所を飛ばすとしても「ハプログループ」はキー概念なので,そこの所は頑張って読むことをお勧めする.2018/06/10

テト

6
遺跡発掘から見つけられた人骨を、今の時代ではどのように、どこまで知ることが出来るのか、一つ一つ丁寧に書かれており興味深かった。どこまでが正しいと出来るのかという仕組みのところと、解ったことがどのように波及するのかという社会の構造がわかり、広まっていないだけで知らないことも多いのかもと感じた。2021/07/18

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