事務に踊る人々

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事務に踊る人々

  • 著者名:阿部公彦【著】
  • 価格 ¥1,980(本体¥1,800)
  • 特価 ¥1,386(本体¥1,260)
  • 講談社(2023/09発売)
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  • ISBN:9784065329467

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内容説明

面倒くさい、複雑、抑圧的……
時に文豪を苦しめ、戦争を阻止し、巨額の損失を生み、
ついには死の世界を垣間見せる。

「事務」
それは人間を人間たらしめる究極の知恵。
事務の営みから人間のあり方を再考する、画期的エッセイ!

クソどうでもいいのに倒錯的な愛をかきたてる
かくも人間くさい事務の世界への探究。

目次

第1章 漱石と大日本事務帝国
第2章 事務の七つの顔
第3章 事務処理時代の「注意の規範」
第4章 『ガリヴァー旅行記』の情報処理能力
第5章 「失敗」から考える事務処理
第6章 身体儀式と事務の魔宮
第7章 事務を呪うディケンズ
第8章 鉄道的なる事務
第9章 エクセル思考で小説を書く
第10章 事務の「感情」を考える
第11章 事務に敗れた三島由紀夫
第12章 事務と愛とバートルビー

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

trazom

106
「現代社会で不当に軽視され、嫌がられ、時には蔑まれさえしてきた事務の営みについて、再考したい」として書かれたユニークな一冊。夏目漱石、川端康成、三島由紀夫、小川洋子からスウィフト、ディケンズ、メルヴィルなど、洋の東西の文豪を「事務」という切り口で分析するのは、文芸評論に定評のある阿部先生の面目躍如。でも、「事務の感情」や「事務と愛」など、余りにも大胆な事務の概念の拡大に、正直、付いてゆけない。各作家の文学評論として読むには示唆に富むのだが、それを「事務に踊る人々」と纏めたことは、成功だったのだろうか…。2023/11/09

チェアー

10
何が書いてあるのか、私には理解しにくい話が多かった。事務の定義が揺れ動くので、何の事務についてどう共通点があって、この話をしているのかというのがよくわからなかった。西村賢太の話も出てくるが、これと事務がどう関係しているのか、やはりよくわからない。ガリバーの話も漱石の話も。話が一つのところにとどまっていないので、どの話をどういう密度でしているのかが読み取りにくかった。2023/11/14

茶幸才斎

4
事務につきまとうイメージと文学との接点をさまざまに指摘し考察した本。例えば、夏目漱石の四角四面への拘泥、ディケンズの事務呪い小説、三島由紀夫の形式依存など。なるほど、本書で事例を収集し型にはめて整理し解釈する筆者の行為にも、そして本書を含め読んだ本の所感を一定の文字数で綴り記録する私自身の行為にも、事務的な性質への傾斜が確かにうかがえる。事務処理化した社会というのは、人が集団を組織し物事をある方向に推し進めるのに有用な形質として、我々の遺伝子に刻まれ心性に根ざした「延長された表現型」と云えるかもしれない。2024/01/12

takao

3
ふむ2024/04/01

spike

3
もっと「事務」に対する思い入れやら思考やらが展開されると思いながら読み進めるも、話は文学論の方へ。著者の「事務」から連想されるトリガーポイントはよくわかるが、私からすると時としてちょっとだけくどい感じ。なおexcelをwordの対抗軸としての「枠」を提供するものとして語るのは、世代的に同じ使い方をかつてしてたのでわからないでもないけど、本質的にはちょっとね。2024/01/21

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