世界を翔ける翼:渡り鳥の壮大な旅

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世界を翔ける翼:渡り鳥の壮大な旅

  • ISBN:9784759820980

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内容説明

鳥が生みだす奇跡とテクノロジーが生みだす奇跡の邂逅……読みはじめたら止まらない。

――ジェーン・アレクサンダー(女優)



わたしは1章ごとに驚きで口を開き、目を丸くした。渡り鳥の科学はいま、黄金時代を迎えている。そしてありがたいことに、すばらしいガイドがこうして案内してくれる。

――ノア・ストリッカー(『鳥の不思議な生活』著者)



飛び抜けた傑作だ……説得力があり、しばしば感動さえもたらす独自の語り口で、国際的な協力と地球規模での環境保全を呼びかけている。

――イザベラ・トゥリー(『英国貴族、領地を野生に戻す』著者)



生涯の専門家にも、庭を訪れる鳥をたまに眺めるだけという人にも……人類がこの惑星を分かちあい、ともに生きている、翼を持った驚くべき生物への極上のガイドだ。

――ダイアン・アッカーマン(『ユダヤ人を救った動物園』著者)



自然の壮大なドラマに迫る科学者たちの挑戦

鳥の渡りという、計り知れないほど長く複雑な離れ業への理解は急速に進んでいる。それでも、この壮大な旅を解き明かす科学はまだ揺籃期にある。本書では、この最先端の研究に自ら携わる鳥類学者、作家であるスコット・ワイデンソールが鳥の驚異的な飛行のあとを追い、世界各地を辿る。ベーリング海では嵐に見舞われ、地中海では銃を装備した罠猟師と遭遇する。インド北東部の辺境では、渡り鳥を狩猟していた首狩り族の末裔たちがそれを断念し、鳥類保護の歴史において前例のない成功を成し遂げているのを目撃する。気候変動による脅威が差し迫る現代において、こうした自然保護の奇跡は人類が存続するうえでかけがえのない道案内となるだろう。


●本文より

その答えはわからない。それが渡り鳥を研究する喜びであり、歯がゆさだ。多くのことが、わたしたちの手をすり抜けていく。目を見張るような技術的進歩やSFのような遠隔調査、ビッグデータによる情報解析やレーダー、衛星用送信機などをもってしても、世界を股にかけた鳥の旅についてはわかっていないことのほうが多い。世界は広く、人間はあらゆる場所に存在するが、あらゆることを知っているわけではない。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ykshzk(虎猫図案房)

21
渡り鳥は驚異の生き物。三日三晩飛び続けて2500km移動したり(ズグロアメリカムシクイ)200日間全く着地せずに暮らしたり(アマツバメ)。人間の体の仕組みを基準として考えてはいけない。何より彼らは地球を味方につけている。人間が静かに座って食事をしているときのほうが、アマツバメがアフリカの草原の300m上空で急降下しているときよりエネルギーを使っているのだそうだ。やや学術的なことが多く全部じっくり読むと疲れてしまうが、渡り鳥の驚異の生態を知ることが出来る。人間がすべきは彼らの絶滅を少しでも食い止めること。 2024/04/16

DEE

7
渡り鳥ってどこで眠るのだろう?とぼんやりと考えていたが、なんのことはない。眠らないのだ。種によっては九日間、12000キロをあの小さな体で飛び続ける。脳を片側ずつ休め、脂肪どころか臓器まで変化させるという生命の凄さ。しかし広範囲で連続的に分布しているということは、どこかで天災や気候変動で環境が変われば、直ちに渡りの行程に致命的な影響が出るということ。もちろん人間も影響している。状況は一進一退でなかなか厳しいらしい。2024/03/16

とりもり

6
渡り鳥の驚異的な能力にただただ感嘆。渡りに備えて不要な臓器(脳さえも)を縮小させてしまう、そして渡りの間は脳を半分ずつ、短時間だけ眠らせながら長距離をノンストップで飛行する。種の維持のためとはいえ、ここまでしなくてももっと楽な方法がありそう…。そんな鳥たちの努力が人間による生息地の環境破壊、化学物質による食物の汚染、温暖化による渡りと餌の繁殖時期のズレ、はたまた乱獲などで踏みにじられているというのが何とも哀しい。技術の進歩で渡りの神秘が解明されてきた今だからこそ、より保護されることを願うばかり。★★★★★2024/01/15

スプリント

6
渡り鳥の生態を追って世界各地を旅した気分になれる。2023/10/23

Sosseki

2
減っていく鳥達や見えない解決策に絶望感や焦燥感に駆られる。読んで憂鬱になる。エッセイ風に書かれていて、調査や計測の技術の進歩、調査方法や実態、鳥の生態、調査結果や解説、改善策等混ざり合っていて、その点、個人的には読みにくかった。繁殖地、越冬地、中継地全てで大きく変わっていく環境や気候、猟、家畜等の新たな天敵等他にも減っていく要因が…!鳥が渡りの道を知る方法や、渡りに関わる体の変化等、凄い。2024/02/02

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