内容説明
主人姓名の儀は仔細あって申し兼ねるが…」と、武士が二人、平次の住む長屋を訪れ、さる大名家の一大事に手を貸してほしいと言う。何者かが国許居城修復の絵図面を盗み、藩に謀叛の疑いをかけているらしい。一度は断わった平次だが、必死の頼みに事件解明へと乗り出した。表題作「城の絵図面」など十編を収録。
(本書は2004/8/1に嶋中書店より刊行された書籍を電子化したものです)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちくわん
15
この本は2004年の本。底本は1938年。時代は万治三年、1660年。以前読んでいた「大江戸散歩MAP」の存在を思い出す。出てくる地名を探す。見付かったりなかったり。小説だけでなく地図や資料とともに楽しむ。あ~ぁ、いっそ東京の街に繰り出せたら。Googleマップという手も、パソコンを修理しないと。2021/01/23
KAZOO
12
表題作を含めて10篇が収められています。一つ一つの話がマンネリにならずにうまく描かれています。題名のつけ方もうまく、やはり野村胡堂はかなりシャーロック・ホームズを読みこんで意識していたのだろうと思われます。2014/06/23
へたれのけい
3
時折り、使ったことの無い言葉が現れます。何やら、嬉しい。片襷(かただすき)とか。2020/06/04
アルゴン
1
★★★☆ 「兵糧丸秘聞」のことの重大さは、現代人にはなかなか理解できませんがなかなか新鮮でした。他の話もそれまでの話とは違う手法を用いているのですが、それでもマンネリを感じてしまう一読者(自分)の身勝手さといったら。2012/04/06
ロックイ
0
相変わらずの小気味好い語り部と江戸っ子らしいおおっぴらな対話。読後、胸に何の蟠りも残さないので読みやすい。2015/06/17