裏切りの王国 ルポ・英国のナショナリズム

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裏切りの王国 ルポ・英国のナショナリズム

  • 著者名:服部正法【著】
  • 価格 ¥2,376(本体¥2,160)
  • 白水社(2023/08発売)
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  • ISBN:9784560094853

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内容説明

「裏切られた」という感情の淵源を探る旅

グローバリズムが進展し、経済格差が急速に広がるなか、各地でナショナリズムの胎動が表面化し、事象として現れ始めている。本書は、EU離脱で揺れた英国を舞台に、世界の政治を駆動する大きな潮流となったナショナリズムの発露を現場から報告する試みである。
著者は毎日新聞の前欧州総局長。場末のパブで飲んでいる労働者・移民からケンブリッジの研究者や閣僚経験者に至るまで、取材対象は実に多彩だ。こうした人びとの意見を聞き、彼らと対話を重ねる著者の取材ぶりと、さまざまな文献にあたって検証する様子を追体験することで、英国理解が徐々に深まっていく。加えて、英国の政治が具体的にどのように運営されているかや、世論の動向をつぶさに追っているため、賛成・反対の揺れ具合が手に取るようにわかる。
「ブレグジット以前」と「ブレグジット以後」の二部構成で、EUに「裏切られた」という庶民の声、イングランドに「裏切られた」と感じるスコットランドなど、ネイションに息づく思いや歴史観を描きながら、EUを「裏切った」英国のナショナリズムの動態を、多方面にわたるインタビューと精緻な歴史検証で描いた渾身のルポ。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

梅干を食べながら散歩をするのが好き「寝物語」

13
▼著者は毎日新聞元欧州総局長。英国のEU離脱の動きで生じた英国とその周辺の大混乱を生々しく記録したルポである。▼EUに対する英国民の想いは欧州他国と全く違うという事、イングランド、ウエールズ、スコットランド、北アイルランドでは離脱の受け止め方に違いがあるということがよく分かった。▼また安定していたアイルランドと英国の関係に亀裂を生じさせる事件でもあった。そのあたりについて、著者は英国の各地を訪れ、元の政府関係者や政治家、国民の政治的リーダーに直接取材している。▼ブレグジットを知るための必読の一冊である。2024/02/26

MioCastello

11
第一次大戦中アラブ人とユダヤ人双方に大戦終了後にパレスチナでの独立国家樹立を約束した一方で仏露とは地域分割を約束した英国の三枚舌外交。 パレスチナ問題の事の発端は明らかに当時の英国の身勝手さだ。時節柄そこをもっと深く理解したくてこの本を手に取ったが、本書はブレグジッド前後の英国の混乱とナショナリズムの発芽を描いたルポ。題名だけで早とちりした自分の責任であり当書には何の責任もないが拍子抜けした感が大きい。2023/11/04

kuroma831

9
毎日新聞の前欧州総局長によるブレグジット前後のイギリスの取材ルポ。あくまで取材ルポなので市井の人々の声が多いが、イギリスの大物政治家や歴史家への取材を通した、当時のイギリスの世論や政治動向のいろんな文脈が良くわかる。ブレグジット前のドタバタは日本でもよく報じられていたのでおおよその論点は知っていたつもりではあったが、ブレグジット後は一気に報道も減ったので、現地の動向など含めて面白かった。毀誉褒貶あれどジョンソンはやはり一種の怪物政治家ではあるな。2023/12/16

Melody_Nelson

7
高野秀行氏が絶賛してたので読んでみる(著者は探検部の後輩らしい)。個人的にも英国のBrexitには興味があったが、本書でさらに理解を深めた。特に北アイルランドの状況が丁寧に説明されており、紛争があった時代の痕跡・わだかまりが未だに存在。そして「大英帝国」幻想を引きずっているかのような、EUを離脱しても「アングロスフィア(英語圏諸国)」があるじゃないか的な考え。移民の増加、EU負担金とかEU官僚主義など、様々な要素があったにせよ、このBrexitがどのような結果になるのか、今後も注目していこう。2023/07/19

どら猫さとっち

6
EU離脱で大きく揺れ動く英国。離脱以前/以後の英国の状況と、現地の人たちのインタビューを掲載した、渾身のルポ。離脱した年は、新型コロナ禍にあった。ブレグジットした後の英国は、明らかにされなかったことが明るみに出たり、それまでの価値観が揺らいだり、目まぐるしいものだった。日本ではあまり報じていないが、そのうち同じようなことになり得るかもしれない。2023/09/06

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