内容説明
中国という国はなかった!
ただ皇帝たちに支配された国だけがあっただけ。
中国史はなぜわかりにくいのか? 国名も違えば、民族も違う――それなのに「中国5000年」の歴史などという真っ赤な嘘をつくからわからなくなる。
日本では歴史教科書で中国という国の歴史がずっと続いているように教えられているが、中国という国があったわけではない。皇帝たちがそれぞれ異なる国をつくって、その国が交代しただけなのだ。
例えば、フランス大革命でブルボン王朝が倒れたが、フランスがフランスであることは変わらなかった。しかしシナの最初の皇帝である始皇帝のあと、武帝が建てた漢はまったく別の国家と見なければならない。そう考えると中華人民共和国はわずか70年の歴史しかないことになる。
本書は、始皇帝、漢の武帝など古代シナの皇帝たちから、元のフビライ・ハーン、明の朱元璋、清の康熙帝など歴代皇帝たちの治乱興亡を中心に、これまでの通説を根底からくつがえし、日本人には想像もつかない誤解もプロパガンダもたっぷりのシナの歴史の謎を解明する。まったく新しい中国史がここから始まる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
軍縮地球市民shinshin
11
岡田英弘の学統を継ぐ研究者であり、配偶者でもある著者が岡田の『皇帝たちの中国』をベースとして改訂を加えたのが本書。第1章「中国(シナ)とは何か」で一章を費やして「中国」ではなく「シナ」こそがかの地の名称としてふさわしいと論証している。確かにこれはその通りで、シナの語源は「秦」であり、それを日本語読みにしたものでしかない。英語ではチャイナとなる。シナの歴代王朝はほとんど非漢民族で占められているというのも、考えてみればその通り。今の中国政府は元朝も中国人が建てたと主張しているらしい。歴史はこうやって改竄される2025/04/13
kenitirokikuti
8
図書館にて▲1998岡田英弘『皇帝たちの中国』(朝日カルチャーセンター連続講義を基とする)、2018宮脇淳子『皇帝たちの中国史』(チャンネルくららweb配信講義、宮脇「皇帝たちの中国」を基とする)。本書は後者の2023年新装廉価版(宮脇による「はじめに」と福島香織による「解説」は2023年)▲解説に岡田・宮脇夫妻の事情が書かれている(宮脇自身が2012年に正論の別冊?に報告済み)。岡田「魯迅の中の日本人」は魯迅と後妻許広平の関係を論じたものだが、それは岡田と宮脇のそれでもあった、と。2024/03/11
RX93
3
「頼れるのは家族だけ」自己防衛手段が発達、他人は利用するだけ。国が頼りにならないのはそうだとしても、隣人も信頼できない?→それほど極限状態ということ。戦争が多すぎるせいか (戦争になりやすい地形や周辺環境?) 逃げ場もない。「シナ大陸はいったん飢餓状態になるとその規模が全然違う。旱魃が来るとどこも旱魃」▼漢人の入れ替わり。壊滅状態の漢人、北方異民族の受け入れ。漢字を使えれば漢人。何度も漢人は入れ替わり。▼中華思想は宋に始まる‐「遼と金を野蛮人として蔑む負け惜しみの思想」2025/04/12




