内容説明
中国という国はなかった!
ただ皇帝たちに支配された国だけがあっただけ。
中国史はなぜわかりにくいのか? 国名も違えば、民族も違う――それなのに「中国5000年」の歴史などという真っ赤な嘘をつくからわからなくなる。
日本では歴史教科書で中国という国の歴史がずっと続いているように教えられているが、中国という国があったわけではない。皇帝たちがそれぞれ異なる国をつくって、その国が交代しただけなのだ。
例えば、フランス大革命でブルボン王朝が倒れたが、フランスがフランスであることは変わらなかった。しかしシナの最初の皇帝である始皇帝のあと、武帝が建てた漢はまったく別の国家と見なければならない。そう考えると中華人民共和国はわずか70年の歴史しかないことになる。
本書は、始皇帝、漢の武帝など古代シナの皇帝たちから、元のフビライ・ハーン、明の朱元璋、清の康熙帝など歴代皇帝たちの治乱興亡を中心に、これまでの通説を根底からくつがえし、日本人には想像もつかない誤解もプロパガンダもたっぷりのシナの歴史の謎を解明する。まったく新しい中国史がここから始まる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kenitirokikuti
8
図書館にて▲1998岡田英弘『皇帝たちの中国』(朝日カルチャーセンター連続講義を基とする)、2018宮脇淳子『皇帝たちの中国史』(チャンネルくららweb配信講義、宮脇「皇帝たちの中国」を基とする)。本書は後者の2023年新装廉価版(宮脇による「はじめに」と福島香織による「解説」は2023年)▲解説に岡田・宮脇夫妻の事情が書かれている(宮脇自身が2012年に正論の別冊?に報告済み)。岡田「魯迅の中の日本人」は魯迅と後妻許広平の関係を論じたものだが、それは岡田と宮脇のそれでもあった、と。2024/03/11