内容説明
若くして映画の道に入り、撮影助手を経て助監督となり、24歳で監督となった小津安二郎。移動撮影やオーヴァーラップやパンをせず、ローアングルから撮ったショットを積み重ねる静的映像をどのようにして確立していったのか。憧れのルビッチ、同時代に影響し合った溝口健二や五所平之助、清水宏、成瀬巳喜男、木下惠介、加藤泰ら7人の監督との関わりを軸に小津安二郎の映画作りの極意を描きだす。
目次
はじめに、もしくは若き日の映画監督/俳優から映画監督へ/画家希望から映画監督へ/映画好きから映画監督へ/I 溝口健二、反小津的カメラワーク/ワン・シーン=ワン・ショットの誕生/ワン・シーン=ワン・ショットの完成/カメラマンと映画監督/II 憧れのエルンスト・ルビッチ/映画を描く小津映画/ルビッチと『結婚哲学』/オーヴァーラップ嫌いの小津/III 五所平之助、もう一人のルビッチ好き/クロース・アップとカット割り/『マダムと女房』の音/『恋の花咲く 伊豆の踊子』の映画術/近くて遠い小津と五所/IV 小津安二郎のコンティニュイティ/「僕のコンティニュイティの実際」/絵コンテと撮影/『東京物語』撮影中/V 清水宏と風物病/日本映画の病気/清水宏と小津/清水宏の映画術/『蜂の巣の子供たち』と「人間賞」/三人の映画監督の風物観/VI 成瀬巳喜男と「二人の小津」/小津を囲む映画評論家/「小津は二人いらない」/ロケーションとセット/『浮雲』讃/VII 木下惠介と日本のカラー映画/二本の『カルメン故郷に帰る』/日本初のカラー映画/色彩の実験『笛吹川』/VIII 加藤泰と「緋牡丹博徒」/小津を意識したロー・アングル/緋牡丹博徒シリーズ/移動撮影とロー・アングル/絵コンテ主義/おわりに、もしくは小津と黒澤/平凡社版へのあとがき/ちくま文庫本へのあとがき/注/参考文献/図版出典/小津安二郎フィルモグラフィー
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keroppi
明石
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