核戦争、どうする日本? ──「ポスト国連の時代」が始まった

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核戦争、どうする日本? ──「ポスト国連の時代」が始まった

  • 著者名:橋爪大三郎【著者】
  • 価格 ¥1,540(本体¥1,400)
  • 筑摩書房(2023/07発売)
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  • ISBN:9784480864819

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内容説明

核兵器をもつ権威主義的国家による、国際秩序への危険な挑戦。地獄のフタを開けたプーチン、相次ぐ北朝鮮のミサイル発射、間近に迫る台湾侵攻。平和と安全を守る唯一の道とは?

目次

はじめに/第1章 核兵器について/1・1 核兵器は、防御兵器である/核兵器は現実である 核兵器のある世界 核兵器はなぜ特別か 核爆弾の原理 アインシュタインの手紙 原爆は一瞬、攻撃兵器だった ソ連も原爆を開発する 最終兵器から防御兵器へ 「世界最終戦争」論/1・2 通常戦力と核戦力/通常戦力とは 軍人は核兵器を嫌う 力の均衡とは何か ちょうどよい軍事力 核武装の誘惑 核は安上がりか/第2章 戦争について/2・1 戦争は不法なのか/戦争は統治行為である 軍人という職務 戦争の自由 戦時国際法 交戦権 不戦条約/2・2 自衛権/自衛権とは 帝国憲法の場合 日本国憲法の場合 自衛権は、どんな権利か 日本国憲法と、自衛権 自衛隊は軍なのか ポジティブ・リスト/ネガティブ・リスト 軍は、政府と独立に行動する 自衛隊は、特措法が必要である 国防軍なら明快 軍事指揮権を明確に/第3章 軍事同盟/3・1 同盟と中立/中立の意味 無害通行権 臨検 武装中立 中立国スイス 非武装中立 中立か同盟か ウクライナ戦争の場合/3・2 軍事同盟/日英同盟 日独伊三国同盟 日米安保条約 日米ガイドライン 占領下の安全保障/3・3 集団安全保障/連合国と国連 集団的自衛権 集団的自衛権は合憲か 9条と集団的自衛権 9条は普遍的か 日米同盟の本質 日米安保条約と9条 集団的自衛権についての解釈変更/第4章 9条と日米安保条約/4・1 9条とは/9条の条文 9条のねらい 未完の国連軍 国連のどこが無理だったか 理想のデッサンに絵の具を塗る/4・2 9条と日米安保/9条と日米安保のカップリング 理想主義/リアリズム 日米安保条約とは アメリカ軍の行動の自由 日本防衛のための条約か 日米安保条約の本質 なぜ「安保反対」なのか 日米安保再定義/第5章 非核三原則/5・1 非核三原則とは何か/中国の核実験 佐藤首相の核武装発言 核カードを持っておく 非核三原則の登場 沖縄返還交渉 「持ち込ませず」の矛盾 沖縄はほんとうに核ぬきか 非核三原則は国是 事前協議というトリック 密約だらけ 武器輸出三原則 領海問題/5・2 なぜ非核三原則なのか/拒否反応の正体 核兵器による死 核抑止力とは 「核アレルギー」という屈折 「核アレルギー」と世論 国家機密とどう違う 「持ち込ませず」と縁を切ろう/第6章 拡散防止条約(NPT)/6・1 核拡散防止条約とは何か/核拡散防止条約(NPT) 条約の二重の性格 条文を読む 何を査察するのか NPTは破れ網 インドの核 パキスタンの核 イランの核 北朝鮮の核/6・2 条約で核戦争は防げるのか/包括的核実験禁止条約(CTBT) なぜ核武装するのか 「核の傘」が合理的 「核の傘」が揺らいでいる/第7章 北朝鮮の核/7・1 なぜ、どうしても核なのか/後ろめたい正統性 冷戦の終わりが運命の分かれ目 やめさせる方法がない 六カ国協議は時間稼ぎ 気がつけば、核保有国 先制攻撃できるか 斬首作戦もある? 北朝鮮の戦略目標 体制が維持できる 核で豊かになる 日本に賠償をふっかける/7・2 北朝鮮の揺さぶり外交/北朝鮮のつぎの一手 戦前、戦後の賠償 南北統一 敵基地攻撃能力 反撃能力は、抑止力になるか 核ミサイル攻撃の場合 ミサイルが飛んできたら手遅れ/第8章 台湾有事/8・1 中国はなぜ、台湾に侵攻するのか/台湾とは何か なぜ必ず侵攻するのか どのタイミングか いつまで待てるのか 空母は時代遅れ 台湾侵攻作戦の目的 台湾の一部占領にとどまる場合 台湾を占領できず撃退された場合 台湾侵攻作戦の実際 アメリカ軍の反撃/8・2 台湾の海上封鎖/どう海上封鎖するか/8・3 台湾の核/台湾の核保有 台湾をどう守るか アメリカの危惧 核シェアリングはどうか/8・4 台湾有事と日本/台湾有事は日本有事 特措法の限界 9条に「自衛隊を置く」と書けばいいのか 「自衛軍を置く」となぜ書かない/第9章 日本の核武装/9・1 日米同盟の曲がり角/日米同盟という選択 ほかの選択肢はなかった 憲法は「守れ」ない 一九九〇年が転換点 北朝鮮の核は、交渉手段 日米同盟は対中同盟 戦術核はふつうの爆弾か 戦術核は使われるのか 不安定なアジア/9・2 日本の核武装/核武装は可能か 「核の傘」とは何か 核拡散の何がいけないのか 日米安保ではダメなのか アメリカの凋落 西側軍が、自由世界を守る 核抑止力を共同利用する 西側諸国の相互防衛 日本の核武装は必要か 中距離ミサイル問題 中距離ミサイル全廃条約 東アジアは西ヨーロッパと同じか 日本が核武装すれば 対中抑止力になるか 核保有は無意味 日本が核をもって大丈夫か/第10章 ポスト国連の世界/10・1 国連はなぜ機能不全なのか/常任理事国の拒否権 強盗が警察署長 なぜ主要国は対立するのか 中国は核兵器を使うか ロシアは核兵器を使うか 中国の基本戦略 安保理のせいで戦争が起こる ロシアを引きずり降ろせるか 中国も反対する もうひとつの国連/10・2 ポスト国連の時代/西側同盟の意義 西側同盟をどう構築するか 同心円の構造にする 第三世界にとってのメリット 西側同盟が唯一の道 ふらつくアメリカ ネイションを支える ネイションはフィクションか 日本のネイションは病んでいる 他国を防衛すること 台湾有事の意味 ポスト国連の世界 核拡散防止条約の裏付けに ポスト国連世界のふたつのシナリオ/あとがき/参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

こも 零細企業営業

18
結構過激な事が書いてあった印象。核兵器を持つという意味。その一発の重さと危うさ。戦術核はミサイルを精密射撃出来るようになったから不要になったというのが、、ロシアは弾切れしてスマートボムじゃ無くなったのがちょい怖い。2023/08/04

はるわか

12
これまでは「ポスト冷戦の時代」だった。これからは「ポスト国連の時代」。プーチンのロシアがウクライナに侵攻。権威主義国家が核兵器を手に国際秩序に挑戦。世界は油断していた。でも現実となった。中国は台湾侵攻のチャンスをうかがい、北朝鮮も脅威。権威主義国家(ロシア、中国)は、核兵器を保有、権力は指導者が握り、妄想にとらわれて軍事行動を起こす。中露両国が安保理常任理事国に居座る国連は機能不全に陥っている。西側の民主主義的な国々は、北大西洋と東アジアで、アメリカの核を頼りに西側同盟の仕組みを立ち上げなけらばならない。2023/03/22

大竹 粋

9
A Scope資本主義編に出演していた。深井さん達との対談があいかわらずリズム感があり、歯切れ良く面白い。核を持ち憲法を変えアメリカの核の傘から離れろという。いつかはそうするべきなんだろうと思いつつ、、、2023/07/04

パダワン

8
知の巨人、橋爪大三郎さんの最新作。 国際政治に興味がない、と言えない世の中になってきた。 「戦争はしたくない→憲法9条を改正しない」では現実と向き合っていることにはならないのだ。もちろん戦争はしたくないし、したい人はいないだろう。 でもフェーズが変わってきたのだから、事態から逃げられない。現実的にいろんなことを知り、考える必要があるのだ。 私には選挙の一票しかないから日本の軍事体制について何かを変えることは出来ないが、自分以外の視点があることを常に想像して、偏った正義に振り回されないでいたい。 2023/04/02

kana0202

5
賛成できないところもあるが、日本人にはリアリズムが抜けているということはよくわかった。9条維持、自衛隊不明記がアメリカの核の傘にあることで保たれていること。中国とアメリカのバランスが変化していることなど、何かが変わる時期なのかもと思わされた。2023/03/11

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