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内容説明
知識は「盾」である。仕事や試験において時間を削り取ろうとする敵から自分を守ってくれる。知識によってタスクは効率化され、浪費は防がれる。では「矛」は? ……それは「忘却」である。なぜなら、常識やルールといった自分の内なる暗黙知、さらには時間すら忘れて物事に打ち込んだとき、そこから得られる成果物は、きっとあなたにとって代えがたい武器となるからだ。
目次
まえがき/I/忘却とは……/選択的記憶と選択的忘却/忘却は内助の功/記憶の変化・変貌/入れたら出す/知的メタボリック症候群/思考力のリハビリ/記憶と忘却で編集される過去/ハイブリッド思考/II/空腹時の頭はフル回転/思考に最適──三上・三中/感情のガス抜き/風を入れる/カタルシスは忘却/スクリーニングが個性を作る/継続の危険性/解釈の味方/III/よく遊びよく学べ/一夜漬けの功罪/メモはしないほうが良い/思い出はみな美しい/ひとつでは多すぎる/“絶対語感”と三つ子の魂/無敵は大敵/頭の働きを良くする/あとがき/解説 松本大介
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
39
備忘録:読み友さんの感想を読んで。日本の国としての力が下がり続けている今、本当の創造性やリーダーを育てる「教育」が形骸化してるんじゃないのかなあ…と、私なりに答えを出したくて色々考えていたんですが、この本を読んで(ああ、こういう事じゃないのかなあ)と。AIが台頭してきた今、忘却と「通気性」、遊びは新たな成長へのキーワードな気がします。2024/02/13
Tomomi Yazaki
20
忘却にはネガティブな印象があるけど、悪い事なのでしょうか。テストは覚えることから始まり、知識をどんどん詰め込む。でも頭の中に隙間を作らないと、アイデアは生まれないそうです。何でも知っているけどそれを使いこなせない馬鹿。つまり知識は思考の妨げにもなる。だから忘却力を高め、頭の中を整理することが必要。そして、人の想い出。細かいことはどんどん、忘却と言う名の元に削りとられ、嫌なことも消え去る。だから大抵の人は年をとると、昔は良かったと思うようになる。そうです。だから想い出は、美し過ぎるのです。2024/08/30
特盛
17
評価3/5。思考の整理学の外山滋比古氏による、「忘れることって価値あるんだ」を強調する本。本読んでも大体忘れるので何の意味があるのか?って常々思うので読む。印象に残ったのは、忘れることで、記憶の叙情性は増す。なので物語は昔のことを書くべし。記憶のゴミを整理することで頭は働く。頭の中がゴミだらけの夜仕事をすることの非効率。メモは読み返さないとただの時間の無駄。書いたものは時間をおいて寝かし推敲する価値。などなど。大体は感想、老年に差し掛かった著者が自身を励ますエッセイっぽいが、たまに実践的なのが良い。2024/04/11
黑春
13
新しいことを考えるには忘却の助けが必要である。 忘却をくぐらせて枯れた知識のみが新しい知見を生み出す。 まえがきにこう書かれている、本書は忘却をめぐるエッセイである。 情報過多の社会では、頭がメタボにならないように知識、情報のゴミ出し(忘却)が必要とのこと。2025/05/06
Mori
11
まずは、15年近く前の著作にもかかわらず、AIと差別化にまで触れられていることに驚いた。時流をみる先見性の鋭さ。 物事を考えるためにはそのスペースが必要で、そのためには忘却が必要であると先生は言われる。皮肉にもPCと同じ仕組みに納得してしまう。だけど、この忘却にこそ個性があったり、忘却によって昔のことが、遠くにあるふるさとが美化されていく。忘却は決して悪ではないのだと多角的に説いてくださっていた。 少し前の記憶力の乏しい自分を励ましてくれた。2023/03/29




