「愛国」のゆくえ─「戦後」の無意識とトラウマ

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「愛国」のゆくえ─「戦後」の無意識とトラウマ

  • 著者名:保阪正康【著】/姜尚中【著】/香山リカ【著】
  • 価格 ¥1,155(本体¥1,050)
  • 講談社(2023/07発売)
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  • ポイント 300pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062183772

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内容説明

※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

自由の謳歌と敗北の屈辱と……ふたつの相反する感情があざなって「戦後」の時空間は形成された。ふとしたことから噴出するわれわれの無意識とナショナリズムの関係に光をあてる。――「歴史認識」のぶつかりあいが必至なこれからの時代にあって、日本人はなにを思考の土台に据え、言葉を発していけるのか。

【本文から】
国家がもっている記憶の集積としての歴史について、それに一定の敬意を払うことは当然ですが、それに服従しなければいけない、それと一致しなければならないという歴史教育はおかしい。みずからが、国家がもっている記憶の集積にたいして、地域や家族の記憶を突き合わせて「どこがどうちがうんだろうか」と自律しながら見ていく目は必要ですね。(保阪正康)

地益を地域のなかに生きている人びとがしっかりと自覚し、その地益に基づいて、地域と地域とが広域的に結びつく可能性に開かれていくならば、われわれは歴史の轍を踏まないで、これからの未来に、若い世代に、新しい日本、新しい朝鮮半島の可能性を用意してあげられるのではないかと思います。(姜尚中)

このところの憲法を変えろという議論に象徴される、威勢のいい、勇ましい傾向は、ある種の葛藤、集合的な無意識だと私は思っているんです。みんながほんとうに本質的にこれが正しいと思って論理的に選択しているのではなく、「見たくないもの」を回避するための症状ですね。(香山リカ)

※北海道新聞社は、2009年から毎年さまざまなゲストを招いて道新フォーラム「現代への視点~歴史から学び、伝えるもの」を札幌で開催、基調講演と討論、参加した若い人たちとの質疑を通して昭和史の教訓を今後にどう生かしていくかを考えてきました。今回は2012年11月25日に保阪正康、姜尚中、香山リカの三氏を招いて札幌の道新ホールでおこなわれたフォーラムの詳報です。

≪道新フォーラム≫活字化 第4弾
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目次

ナショナリズムの教訓           保阪正康
大通の四丁目/もっと地べたにおろしたかたちで/「おまえん家、どっから来たの?」/近代日本の縮図/第七師団の運命/またも負けたか八聯隊/蓄積をもつまえに……/言葉が外に出てこない/徴兵逃れ祈願/タテマエがホンネを押しつぶす/この素朴な感情こそが
もっと「多事争論」を       姜尚中
『伝道の書』/筑紫哲也さん/領土問題や歴史問題になると……/マッカーシズム/不寝番の役割/室原知幸という人/愛郷心なくして愛国心はありえない/小の虫にも/ローカル・インタレスト/人間は新しい次元に進むことのできる存在
「こころのケア」の歴史と未来       香山リカ
領域としてはまだ百年ちょっと/「ディブリーフィング」/PFA/九・一一の衝撃/してほしくなかったこと/なにをいまさらエラそうに/当事者のほうがよく知っている/もっと敬意を払いながら/あやまちては……/変える勇気
トークセッション
記憶の引き出し/フロイトと「見たくないもの」/日本人の情報行動/メディアを比較衡量する習慣/「知る権利」と購読料/「歴女」「腐女子」の想像力/記憶を突き合わせて/ケアの欠落/記憶の暗殺者たち/「生もの」と「干物」/「防衛機制」/ドイツ精神医学界の謝罪/「権威」が「権威」であるために/ナッシュビルのできごと/彼らは日本で……/「わかった。君とはいっしょに仕事できる」/加害・被害の問題/わたくしとあなた、あの山この川

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヒデミン@もも

21
姜尚中さんと香山リカさんの名が連なっていたから興味を持ち読んでみて、北海道新聞主催のフォーラムをまとめたものでした。やっぱり、生の声は、文字にするものではないな。2013/10/02

エヌ氏の部屋でノックの音が・・・

11
図書館本。保阪先生に姜尚中先生、香山リカ先生が愛国を語るのかと思って読んでみたが、フォーラムであったので今一感がつよい。保阪先生が新聞を何紙か購読しているといったが、確かに考え方の違いや味方の違いはあるものの、一般庶民には年6万円を複数紙とるなんてことはできない。このことから私しは新聞を辞めて、自分の好きな本を新聞代ぐらいを毎月買うことにしている。2018/08/05

星辺気楽

0
三人の主張が微妙にずれているのが、また良い感じです。2016/03/31

0
香山p146『若い世代の人たちも、「自分たちがやったことじゃないから自分達が責任を感じる必要はない」といってしまえばそれまでかもしれませんが、そうではなくて、社会全体として物語の修正が、まだ終わっていないのかもしれないという考えは、頭の片隅に置いておいていただきたいし、それは個々の家族や集団の中からはじまるのだと、つねに自分の身に則して考えるようにしてほしい』 保阪p137らへんから。日本の研究を倫理をチェックするのは誰なのか。国際社会で歴史認識のぶつかりあいを経験して日本で欠けてる論争点etcに気付く2014/08/21

星辺気楽

0
再読 2020/06/23

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