内容説明
奈良時代から平安時代にかけて編纂された歴史書「六国史」。七二〇年に完成した日本書紀から、続日本紀、日本後紀、続日本後紀、日本文徳天皇実録、日本三代実録までを指す。天地の始まりから平安中期の八八七年八月まで、国家の動向を連続して記録した「正史」であり、古代史の根本史料である。本書は、各書を解説しつつ、その真偽や魅力を紹介。また、その後の紛失、改竄、読み継がれ方など、中世から現代に至る歴史をも描く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Tomoichi
34
720年に完成した日本書紀に始まり、続日本紀、日本後記、続日本後紀、日本文徳天皇実録、日本三代実録と続いた勅撰国史である「六国史」をわかりやすく解説。日本後紀が3/4が失われること、残っているものも塙保己一が発見したこと、その他知らないことばかり。自分の無知に悲しくなりました。2017/06/28
やいっち
30
六国史とは、『日本書紀』『続日本紀』『日本後紀』『続日本後紀』『日本文徳天皇実録』『日本三代実録』で、奈良時代から平安時代にかけてまとめられた古代の歴史書群の、後世の呼称である。いずれの章も興味深かったが、歴史の門外漢の小生が興味を惹かれたのは、徳川家康が大坂の陣の真っ最中に、六国史など日本の歴史書の書写に努めよと命令を発していること。さすが家康には目線の高さがある。以後、時代の趨勢や技術の進展もあって、歴史書は書写から印刷の時代へと移り変わっていく、その端緒となったとか。 2017/02/13
崩紫サロメ
22
720年に完成した『日本書紀』から901年に完成した『日本三大実録』までの六部の歴史書が六国史と呼ばれる中国の歴史書に倣った日本の正史である。内藤湖南は六国史を「官報を綴じこんだようなもの」と消極的に評価したが、後世の人に判断をゆだねる公文書の集積はむしろ史料価値が高いと著者は考える(壬申の乱など例外はある)しかし、平安後期になると、国史の役割は日記で代替されていく。勅撰ではないが、日記を利用した漢文体の編年史書も現れ、歴史学ではこれらが六国史を継ぐ編纂文献となっている。(続)2026/05/18
kokada_jnet
22
中世の「源氏物語」注釈では、「源氏物語」を実際の歴史にあてはめて解釈していたという話が面白かった。2016/12/07
浅香山三郎
20
「六国史」の編纂過程、方針、記事の特色などを明らかにし、奈良~平安前期の天皇や朝廷のあり方と国史編纂の関係を論じる。それだけではなく、「六国史」以降の歴史書や歴史意識、六国史の後世における受容などにも言及して、明治の史料編纂事業へ続いていく流れをも示す。明治期に水戸学などを下敷きにしながら、国家意識が近代国家のそれとして前面化する一方、六国史は国家が再刊する訳ではないといふ、ちぐはぐな感じが面白い。2019/02/16
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