内容説明
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世の中にすでに存在する写真に文を添えることで
まったくあたらしい物語が生まれた――
道尾秀介による危険な悪戯
写真から生まれた、道尾秀介初のショートショート集。
読み返すほど深まる――写真と連動する新感覚のミステリー。
(タイトル[一部])
静かな午後
さがしもの
能才
デュロン
つちのうま
今夜
聞いてごらん、と言った女性の肌は濡れていた
何日か経つと静かになった
中身は家の裏に埋めたそうな
弟は野良猫とビーグルのあいだだった
指
髪飾りに見えるのは目だった
いたずら少年は翌朝になって発見された
旅立ち
短いからこそ生まれる面白さに圧倒される「50作品」を収録。
【著者プロフィール】
道尾秀介(みちお・しゅうすけ)
1975年東京都出身。
2004年『背の眼』で第5回ホラーサスペンス大賞特別賞を受賞しデビュー。
07年『シャドウ』で本格ミステリ大賞、09年『カラスの親指』で日本推理作家協会賞、10年には『龍神の雨』で大藪春彦賞、『光媒の花』で山本周五郎賞を受賞。
11年『月と蟹』で直木賞を受賞。
その他の著書に『向日葵の咲かない夏』『いけない』『雷神』『DETECTIVE X』など多数。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
284
道尾 秀介は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。著者の新企画、フォトミステリーと言うよりも、ブラックユーモア・50ショートショート集でした。 https://www.wani.co.jp/event.php?id=77352023/07/20
旅するランナー
234
IPPONグランプリの写真で一言をショートショートにしてます。何げないのどかな写真を、ミステリー·ホラー·ユーモアに捻る具合がさすがです。ある意味、平和な日常に潜む邪悪なものを炙り出しているようにも感じます。同じ写真を使って、複数の作家による競演にしても面白そうです。2023/11/05
やっさん
146
★★★ 某お笑いグランプリ番組の『写真で一言』ならぬ『写真で一話』。道尾さんお得意のホラー系が多いので、一話読み終えるたびに「怖っ!」とつぶやいてしまう。たまに話がつながってるものがあるのは面白かった。2023/09/08
まちゃ
146
一枚の写真に短い文章を添えたスーパーショートショート集。何気ない写真に添えられた文章から作家の感性を感じられる面白い企画ものだと思いました。ゾッとしたり、ニンマリしたり。印象的だったのは「よくいるクレーマー」「干しガキ」「ひとをうたがうべからず②」2023/08/01
イアン
131
★★★★★☆☆☆☆☆写真を使った道尾秀介のショートショート集。1枚の写真に文章とタイトルを添えることで、読者の想像をかき立てる新感覚の54編。短いもので1行、長くても2ページ程度。同系統の『いけない』シリーズより更に短く、「意味が分かると怖い」系の話が好きな人にはお勧め。「つちのうま」から「今夜」への繋がりが個人的に好みだったが、実は半分も理解できなかったなんて口が裂けても言えない。不況に喘ぐ出版業界を盛り上げようと新たな試みを模索する著者の心意気は買うが、立ち読みで読み切れてしまうレベルなのが勿体ない。2024/07/23