岩波文庫<br> 物質と記憶

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岩波文庫
物質と記憶

  • 著者名:ベルクソン/熊野純彦
  • 価格 ¥1,507(本体¥1,370)
  • 岩波書店(2023/06発売)
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  • ISBN:9784003890134

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内容説明

精神と物質,こころと身体の関係.アポリアと化した〈心身問題〉にベルクソンが挑む.実在論や観念論の枠組みを離れて最初から考え直してみること.そのためには問題の立て方じたいの変更が求められる.身体は生きるために知覚し,精神は純粋記憶のなかで夢みている.生の哲学から見られたときに現れる新たな世界像とは.新訳

目次

凡  例
序  文
第七版への序文
第一章 表象のためにイマージュを選択することについて──身体の役割
現実の行動と可能な行動
表  象
実在論と観念論
イマージュの選択
表象と行動との関係
イマージュと実在
イマージュと感受される感覚
感受される感覚の本性
感受された感覚から切りはなされたイマージュ
イマージュ本来のひろがり
純粋知覚
物質の問題への移行
記憶の問題への移行
物質と記憶
第二章 イマージュの再認について──記憶と脳
記憶のふたつの形態
運動と記憶
記憶と運動
記憶の現実化
第三章 イマージュの存続について──記憶と精神
純粋記憶
現在とはなにか?
無意識について
過去と現在との関係
一般観念と記憶
観念の連合
夢の平面と行動の平面
意識のさまざまな平面
生への注意
心的な均衡
身体の任務
第四章 イマージュの限定ならびに固定について──知覚と物質、こころと身体
二元論の問題
したがうべき方法
知覚と物質
持続と緊張
ひろがりと延長
こころと身体
要約と結論
解説──ベルクソンの〈夢〉
事項索引
人名索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さきん

19
現在はさらに脳科学や神経医学が発達して当時とはまた違う解説になると思うが、感覚や記憶を単なる体内の物質のやりとりとして捉えるのみではなく、哲学と科学の間の解釈、どう観念、感覚として捉えるかということにこだわっているように感じた。とにかく読むのが大変。集中力が持たない。2016/08/24

呼戯人

18
ベルクソンの4大主著のうちの一つ。当時の失語症の研究などに基づきながらベルクソン自身の心理学を作っている。身体という特権的な物質と純粋記憶の中でまどろむ精神の関係を探っている。物質と精神が出会うのは、知覚によって捉えられるイマージュであるが、純粋記憶、記憶、イマージュ、知覚が一体となって、物質と精神が浸潤しあう。そこで物質と精神は一つのものになるのである。しかし、非常に難解でもう一度読む必要がありそう。次は小林秀雄の「感想」でも読みながら再読したい。2022/01/20

kinka

13
生きてるってどういうことか、と考える時、モノとしての肉体を見るか、観念としての精神を見るかっていうのが昔からの学問のやりかただったのだと思う。ベルクソンはどっちにも与しない。モノとモノじゃないものの統一を目指し、記憶と物質世界を行き来する「運動」が感覚であり、知性であり、生命なのだと言う。肉体の役割は、記憶と物質の中継局であり、ここで観念が現在に、夢が流れる時間に変化するのだ。これ、思考実験なんかじゃないよ、参照文献には大脳生理学や心理学や物理学の膨大なリスト。全部噛み砕いてものにしてる、凄いわ。2016/01/06

彩菜

10
私が何かを知覚する時、私の身体はその刺激を行動へと繰延る。この生まれつつある行動は私の精神的生・記憶に働きかけ、その知覚に類似した記憶を選び、知覚を補完し最も有用な行動を示唆する。私の心理学的生はこの知覚で合流する身体と記憶の両極で振動し、その時々の感覚-行動が作る生への注意とでも言うような精神の緊張に応じた観念を創り出す。だから私はある外国語からその国を、又その言葉を発した人をその時々で思い出すのだ。このように生と行動という方向から著者は身体と心の合一の道を辿り、それに伴う二元論にも解を与えてゆく。2018/12/29

赤い熊熊

10
意味不明。哲学書によくあるように原著者が怪しい可能性もあるが、訳者が全然ダメ。まず、記憶という1つの日本語に「メモワール」「スヴニール」とその違いを読み解くことなくルビを振って表記するだけにしている点。「レアリテ」等についても同様。次に「延長」や「平面」のような日常及び数学での真っ当な定義と違いのある語について何ら説明がない。意味を理解して訳してないと思われる。最後に、「関する」等極めて簡単な語を「かんする」と開くような点。訳者の日本語の貧弱さ又は読者をバカにしてるのか。2018/08/24

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