ぼくはあと何回、満月を見るだろう

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ぼくはあと何回、満月を見るだろう

  • 著者名:坂本龍一【著】
  • 価格 ¥2,090(本体¥1,900)
  • 新潮社(2023/06発売)
  • ポイント 19pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784104106035

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内容説明

自らに残された時間を悟り、教授は語り始めた。創作や社会運動を支える哲学、国境を越えた多彩な活動、坂本家の歴史と家族に対する想い、ガンと共に生きること、そして自分が去ったあとの世界について――。『音楽は自由にする』を継ぐ、決定的自伝第二弾。坂本氏の最期の日々を綴った、鈴木正文氏による書き下ろし原稿を収録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

鉄之助

332
坂本龍一がガンとの闘病を赤裸々に語り、晩年に何を思っていたかがリアルに迫ってきた。「戦メリ」のメロディーは30秒で思いついたのだから、「1~2分、命が長らえれば、それを超えられる」とも。最後まで、歴史に爪痕を残した一生だった。この本の編集者でありインタビュアーでもある鈴木正文さんの、巻末「著者に代わってのあとがき」が、哀しくも美しい。坂本さんはすでにいない。ならば僕たちが「坂本さん」になろう! この心意気、大いに気に入った。2024/12/05

モルク

134
坂本龍一氏の晩年の活動や闘病を描く。ちょっと近寄りがたさを感じていた氏がやたらと身近に感じる。震災や原発、核などへの思いと作品への反映。その熱い思いが伝わってくる。彼の代表曲「戦場のメリークリスマス」、何処へ行ってもその演奏を求められることに反発してあえて弾かなかったが、自分が他の人のコンサートに行ってその代表曲を期待していることに気付き考えを変えたこと。当時の皇后美智子さまに会ったとき直立不動で目を合わせることができなかったなどお茶目な面も。鈴木正文氏の「あとがきにかえて」も愛に溢れとてもよかった。2025/02/18

kaoru

119
闘病記から始まるので読むのが辛かったが仕事への真摯さや社会への義務感に敬服した。随所に挟まれる言葉のきらめき。「郷愁の感覚こそ芸術の最大のインスピレーション」。映画『レヴェナント』の作曲や福岡伸一と「ロゴスを超えてピュシスに近接する」術を語り合ったこと。『async』の創作過程。藝大の客員教授として学生の選考に当たったエピソードは「教授」らしい反骨精神に溢れている。トランプ大統領選出に衝撃を受けコロナ禍に直撃されるも新しい音楽を追い続ける。晩年は雨など自然の音に魅かれる一方、シャルル・アズナブールが→ 2023/07/16

けんとまん1007

114
知性と思い。これを継続すること、行動に移してみること。簡単なようで、決して簡単ではないこと。その中で、悩み、考え、逡巡しながらも、次に向かうこと。周囲への思いも含め、考えさせられる。2023/10/10

buchipanda3

112
「私たちは人生を尽きせぬ泉であると思ってしまう」。これは著者が引用したボウルズの言葉。有限と知りながら、つい日々の中で忘れがちだと思う。でもその言葉はこう続く。「人は無限の機会がある」。言葉通り、本作には著者が最後を迎えるぎりぎりまで数々の出会いと創作をした姿が描かれていた。その中で彼が繰り返していた人の論理より自然そのものに近づきたいという願いが印象深い。自然には法則はあるが規則はない。時間の概念も同じ。目線を人から離した時、ある種の幻想から解放される。彼の音楽と言葉に感謝。そんな思いで月を見上げたい。2023/09/17

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