内容説明
老舗糸問屋・嶋屋元当主の徳兵衛は、還暦を機に隠居暮らしを始めた。
風雅な余生を送るはずが、巣鴨の隠居家は孫の千代太が連れてきた子供たちで大にぎわい。
子供たちとその親の面倒にまで首を突っ込むうち、新たに組紐商いも始めることとなった。
商いに夢中の徳兵衛は、自分の家族に芽吹いた悶着の種に気が付かない。
やがて訪れた親子と夫婦の危機に、嶋屋一家はどう向き合う?
笑いあり涙ありの人情時代小説『隠居すごろく』、待望の続編!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
163
すごろくに続編が出た!しかしなんだなぁ。「徳兵衛さん、ほどほどにしなはれや!」って感じだ。頑固ゆえ退くに引けなくなるんでしょうが、苦しくなるのは自分なのですよ。まぁ、大人しくは無理だとしても、そこはね。このラストはまたまた続きがありそうですね。ふぅ。2023/06/27
のぶ
126
「隠居すごろく」の続編が読めるとは思わなかった。本作は隠居して静かに暮らすつもりだった糸問屋<嶋屋>の徳兵衛、思いがけなくもその院宅に孫の千代太をはじめ大勢の人間が押し寄せるようになるが、新たな起業のサポート役として、徳兵衛は充分に楽しそうだ。ところが、徳兵衛の知らぬ間に嶋屋では、出戻った後に男たちとの奔放な付き合いが止まない末娘のお楽を巡って大騒ぎが起きる。隠居して初めて商いの楽しみを知った徳兵衛も心の休まる暇がない。西條さんは多くの登場人物を巧みに使って、面白い人情時代小説を展開していた。2023/07/20
初美マリン
116
隠居シリーズ第二弾、落としどころが中途半端な気がしました。自分自身の性格とはいえ、前作の方がスッキリしたような気がしました。2023/10/21
ぶち
100
前作は、還暦を迎えて人生の"双六の上がり"に達したかと思いきや、もう一つ別の双六が待っていたというオチ。二つ目の双六を進むうちに隠居の徳兵衛も改めて成長していったのです。今作では徳兵衛、隠居しても唯一の取柄である商いに夢中になっています。家族のことは二の次、三の次。頑固で短気な性格は一朝一夕には治らないようです。"お手玉"を操るように家族のあれこれを上手に操ることはまったくできません。家族たちとの間に大きな悶着が勃発。「さぁ、どうなる」と思っったところで、この巻は終り。これは、続編を待つしかありません。2024/02/24
雅
98
にぎやかだった隠居生活が一転、頑固さが故にみんなバラバラになってしまう。今後どうなっていくのか?続編に期待です2023/09/11