江ノ島奇譚

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江ノ島奇譚

  • 著者名:高田崇史【著】
  • 価格 ¥1,716(本体¥1,560)
  • 講談社(2023/05発売)
  • ポイント 15pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065312056

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内容説明

「顔がないんだ、ぬっぺっぽうみたいにさ」
藤沢宿で働くお初は、自分の色男である勝道にそう言った。
「目も鼻も口も耳もない、ぺろりとした顔のそいつが、いつも出てくるんだ」
怖いものなどない破戒僧の勝道だが、なぜか「ぬっぺっぽう」だけは恐ろしかった。
「この悪夢を祓ってくれる、良い神社仏閣はないものかねえ」
勝道は、お初を江島明神の弁財天詣でに誘う。
その地に伝わる哀しい身投げ話など知りもせずに。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さつき

67
江戸時代の江ノ島詣でがどんなものだったのか、その一端が見え楽しく読みました。稚児ケ淵って昔から不思議な名前だと思っていましたが、その謂れは知らなかったので、びっくり仰天でした!考えてみると岩屋にお詣りしたのはもう4〜5年は前かなぁ…久しぶりに江の島散歩したくなりました。2023/06/24

雪紫

58
意外かもしれないが高田さん初の時代小説。不思議とさっぱり読みやすいが、想いや稚児の悲劇や、情念には惹き込まれるところも・・・。そしてまさかの狂言まで作ってる。これが面白いので、是非光景を見たくなる。2023/08/10

ポチ

44
江ノ島の不思議な話。も、良かったが、刀の小狐丸誕生を描く、狂言の「小狐丸異聞」は楽しく読みました。2023/06/17

モモ

41
江ノ島の江島明神に関する奇譚。立派な僧になりきれず、お初の稼ぎで暮らす勝道。藤沢宿から片瀬へ抜ける江島道で出かける。「稚児ヶ淵」の悲しい出来事。鎌倉の建長寺の立派な僧の自休が、百日参りで江ノ島に来た際、白菊という名のお稚児さんに一目惚れする。その白菊が稚児灌頂すると聞いて恋文を出し、そして起こる悲劇。それにしても稚児灌頂がむごい。その稚児ヶ淵で起きる怪異。次は、帝に奉納する刀にまつわる通し狂言。こちらも楽しめる。ちょっと読みづらいが、江ノ島の江島明神のことがよく分かる。江ノ島に出かけたくなりました。2023/08/01

かつおさん

20
勝道とお初のカップルが巻き込まれた江ノ島に伝わる建長寺の僧、自休と鶴岡相承院の稚児、白菊の悲話と五頭龍と弁財天神話が絡んだ奇譚。著者らしい当時の風俗描写・考察、神話解釈が面白くためになる。特に稚児を観音菩薩の化身とした”稚児灌頂”やまだ女性が歌舞伎を舞っていたころの歌舞伎役者や白拍子の地位に驚いた。「華やかなものの陰には闇がある。」は、ジャニーズ騒動ではないが今も昔も同じと感ずる。勝道とお初が見に行った伏見稲荷を舞台にした歌舞伎「稲荷山恋者火花」の話も稲荷の生い立ちや神話解釈を含めて面白かった。2023/06/19

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