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内容説明
本書で解説する「英語脳」とは、英語という言語(そして英文法)の中に現れる、「世界の捉え方」や「人間関係の捉え方」のこと。英文法を「ルール」ではなく「意味を表すもの」と考えると、「なぜこの言い方(文法)を使うのか」が腑に落ち、英語学習の核をつかむことができるのです。他動詞の英語らしい使い方、助動詞の「思っているだけ」という意味、過去形と「人間関係の距離」、数えられる名詞の見分け方……など「目からウロコ」が連続の、英語話者による世界の見方(=英語脳)のポイントを凝縮し、英語学習の必携書としてお贈りします。
目次
序章 「英語脳」とは?/●本書が考える英語脳とは/文法は「合っているか、間違っているか」ではない/第1章 日本語脳と英語脳の「ものの見方」はこんなに違う/第1講 文法の違いは「ものの見方」の違い/●言葉は客観的な事実を表さない/文法の違いは「ものの見方(=意味)」の違い/事態の捉え方の癖/原因を「状況」に転嫁する/英米の英語の違い/第2講 英語と日本語では重視するものが違う──『千と千尋の神隠し』に見る日英のセリフの違い 1/●因果関係の説明が多い英語版/別の言語で話す=別の考え方で話す/「察してほしい」日本語/第3講 話し手責任の英語・聞き手責任の日本語──『千と千尋の神隠し』に見る日英のセリフの違い 2/●聞き手責任か、話し手責任か/クライマックスシーンの比較/第4講 カメラになって外を見る日本語・外から自分を見る英語/●『雪国』の場合/『千と千尋の神隠し』の場合/「ここはどこ?」とWhere am I?/自分の操縦席に他人を乗せる日本語/第5講 言語以外にも現れる「捉え方」/●「自分がカメラになる」ことが生む「余白」/第2章 英文法に現れる「英語脳」が見る風景/第6講 幽体離脱の英語表現/●findを使いこなそう/自分が自分をそこに持ってくる/思考習慣が文法を作る/第7講 時間も日本語は「臨場感」、英語は「俯瞰」/●過去の話なのに現在時制/私たちが「現在完了」を理解しにくいわけ/外から時間を俯瞰して眺める英語/第8講 「数えられる名詞」と「数えられない名詞」が見る風景/●We love dog.は奇妙な表現/形を崩したら成立しないもの、いくら砕いても○○は○○なもの/複数形の-sの本当の意味/第9講 同じ「見る」なのになぜsee, look at, watch?/●言葉が違うと、世界の切り取り方が違う/日本語のオノマトペと英語の様態動詞/どのように見るか、聞くか/第10講 「ある・いる」でもthere is構文を使わない場合/●新情報の「存在」がthere is構文/「いる・ある」の意味を出すのはbe動詞/第11講 「ある・いる」でもhaveを使う場合とその理由/●there is構文の「いる・ある」とhaveの「いる・ある」はどう違う?/第3章 「状況」を利用する英語の意外な戦略/第12講 日本語の会話は「共感」で進み、英語の会話は「why」で進む/●英語の「会話の流れ」とWhy?の理由/日本語話者は「理由」を考えるのが苦手/ゲーム感覚で「理由を思いつく」癖をつけよう/日本語を英語に置き換えるという発想は捨てる/第13講 英語は「原因」が好き・日本語は「不可抗力」が好き/●結果に注目するか、原因に注目するか/「他動詞重視」が英語脳の大前提/主役が違うから、論理の組み立て方も違ってくる/第14講 英語脳が生み出す「無生物主語構文」という発想/●What makes you think that?/「原因」が主語/becauseを使わずに「原因・理由」を述べる/enable, allow, encourage, causeの使い方/第15講 失礼にならないように「原因や状況」のせいにしちゃおう/●Why do you think ~?は喧嘩腰?/what makesを使いこなす/What ~ for?がフォーカスする「目的」/第16講 canは「状況のせいにしてしまう」言葉/●意思の押し付けを避ける用法/you mayの注意点/英語における「丁寧さの原理」/第17講 英語話者はなぜmustよりhave toをよく使うのか/●意思と願望のmustと状況を抱えるhave to/shouldは「~すべき」より「~した方が良い」/聞かない日はないbe supposed to 動詞原形~/英語脳の「原因」マップ/第4章 英語脳が考える「もうひとつの丁寧さ」/第18講 助動詞の持つ「意味」と「力の用法」と「判断の用法」/●そもそも「助動詞とは何なのか」/「事実の話」なのか「思っているだけの話」なのか/第19講 まずは知っておこう、「willの根っこ」は「未来」ではない/●未来だからといって必ずwillを使うわけではない/意思「~するつもりだ」と予想「~だろう」/「現実」vs.「推測(心の中で思っているだけのこと)」/第20講 「will+動詞原形」よりも「will+進行形」の方が丁寧?/●「will+動詞原形」が抱えるリスク/頭に浮かぶ映像は~ing/Will you ~?とCan you ~?:どちらが丁寧か/第21講 「たられば」の気持ちが丁寧さにつながる仮定法/●仮定法が表すのは「現実との距離」/動詞の過去形を使う理由/I would say ~:「まぁ、~でしょうね」「あえて言うなら、~ですね」/I would imagine ~:「~じゃないですかねぇ」/I would think ~:「~じゃないか、などと思うのですが」/第22講 pleaseには「逆らえない圧力」がある/●pleaseは「ちょっと冷たい」?/英語の命令文の本質/pleaseの正体/第23講 アメリカ人はイギリス人よりもpleaseを使わない?/●アメリカ人の「建前」/Can I have the salad?とCan I have the salad, please?の違い/第5章 メタファーとメトニミーが作る「多義語」の世界/第24講 メタファー:人はなぜ「時間」という概念を理解できる?/●言語にとって、「比喩」が重要?/メタファー:時間と前置詞/メトニミー:「白バイ」は人を指す?/第25講 on世界:Russias war on Ukraineはなぜin Ukraineじゃない?/●onの意味は「接触」/「上に乗る」と「圧力」がかかる/「頼る」=「支えてもらう」=「上に乗る」/「接する」=「ずれていない」/第26講 文法にも多義はある:不可算名詞が「機能」も表すわけ/●「形の仲間」と「材質・性質の仲間」/「性質」に注目する~ing/breakfast, lunch, dinnerはなぜ不可算名詞なのか/文法の振る舞いは、人間の心の振る舞い/あとがき/参考文献
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