ちくま新書<br> 英語脳スイッチ! ──見方が変わる・わかる英文法26講

個数:1
紙書籍版価格
¥990
  • 電子書籍
  • Reader
  • ポイントキャンペーン

ちくま新書
英語脳スイッチ! ──見方が変わる・わかる英文法26講

  • 著者名:時吉秀弥【著者】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 筑摩書房(2023/05発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 240pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480075536

ファイル: /

内容説明

本書で解説する「英語脳」とは、英語という言語(そして英文法)の中に現れる、「世界の捉え方」や「人間関係の捉え方」のこと。英文法を「ルール」ではなく「意味を表すもの」と考えると、「なぜこの言い方(文法)を使うのか」が腑に落ち、英語学習の核をつかむことができるのです。他動詞の英語らしい使い方、助動詞の「思っているだけ」という意味、過去形と「人間関係の距離」、数えられる名詞の見分け方……など「目からウロコ」が連続の、英語話者による世界の見方(=英語脳)のポイントを凝縮し、英語学習の必携書としてお贈りします。

目次

序章 「英語脳」とは?/●本書が考える英語脳とは/文法は「合っているか、間違っているか」ではない/第1章 日本語脳と英語脳の「ものの見方」はこんなに違う/第1講 文法の違いは「ものの見方」の違い/●言葉は客観的な事実を表さない/文法の違いは「ものの見方(=意味)」の違い/事態の捉え方の癖/原因を「状況」に転嫁する/英米の英語の違い/第2講 英語と日本語では重視するものが違う──『千と千尋の神隠し』に見る日英のセリフの違い 1/●因果関係の説明が多い英語版/別の言語で話す=別の考え方で話す/「察してほしい」日本語/第3講 話し手責任の英語・聞き手責任の日本語──『千と千尋の神隠し』に見る日英のセリフの違い 2/●聞き手責任か、話し手責任か/クライマックスシーンの比較/第4講 カメラになって外を見る日本語・外から自分を見る英語/●『雪国』の場合/『千と千尋の神隠し』の場合/「ここはどこ?」とWhere am I?/自分の操縦席に他人を乗せる日本語/第5講 言語以外にも現れる「捉え方」/●「自分がカメラになる」ことが生む「余白」/第2章 英文法に現れる「英語脳」が見る風景/第6講 幽体離脱の英語表現/●findを使いこなそう/自分が自分をそこに持ってくる/思考習慣が文法を作る/第7講 時間も日本語は「臨場感」、英語は「俯瞰」/●過去の話なのに現在時制/私たちが「現在完了」を理解しにくいわけ/外から時間を俯瞰して眺める英語/第8講 「数えられる名詞」と「数えられない名詞」が見る風景/●We love dog.は奇妙な表現/形を崩したら成立しないもの、いくら砕いても○○は○○なもの/複数形の-sの本当の意味/第9講 同じ「見る」なのになぜsee, look at, watch?/●言葉が違うと、世界の切り取り方が違う/日本語のオノマトペと英語の様態動詞/どのように見るか、聞くか/第10講 「ある・いる」でもthere is構文を使わない場合/●新情報の「存在」がthere is構文/「いる・ある」の意味を出すのはbe動詞/第11講 「ある・いる」でもhaveを使う場合とその理由/●there is構文の「いる・ある」とhaveの「いる・ある」はどう違う?/第3章 「状況」を利用する英語の意外な戦略/第12講 日本語の会話は「共感」で進み、英語の会話は「why」で進む/●英語の「会話の流れ」とWhy?の理由/日本語話者は「理由」を考えるのが苦手/ゲーム感覚で「理由を思いつく」癖をつけよう/日本語を英語に置き換えるという発想は捨てる/第13講 英語は「原因」が好き・日本語は「不可抗力」が好き/●結果に注目するか、原因に注目するか/「他動詞重視」が英語脳の大前提/主役が違うから、論理の組み立て方も違ってくる/第14講 英語脳が生み出す「無生物主語構文」という発想/●What makes you think that?/「原因」が主語/becauseを使わずに「原因・理由」を述べる/enable, allow, encourage, causeの使い方/第15講 失礼にならないように「原因や状況」のせいにしちゃおう/●Why do you think ~?は喧嘩腰?/what makesを使いこなす/What ~ for?がフォーカスする「目的」/第16講 canは「状況のせいにしてしまう」言葉/●意思の押し付けを避ける用法/you mayの注意点/英語における「丁寧さの原理」/第17講 英語話者はなぜmustよりhave toをよく使うのか/●意思と願望のmustと状況を抱えるhave to/shouldは「~すべき」より「~した方が良い」/聞かない日はないbe supposed to 動詞原形~/英語脳の「原因」マップ/第4章 英語脳が考える「もうひとつの丁寧さ」/第18講 助動詞の持つ「意味」と「力の用法」と「判断の用法」/●そもそも「助動詞とは何なのか」/「事実の話」なのか「思っているだけの話」なのか/第19講 まずは知っておこう、「willの根っこ」は「未来」ではない/●未来だからといって必ずwillを使うわけではない/意思「~するつもりだ」と予想「~だろう」/「現実」vs.「推測(心の中で思っているだけのこと)」/第20講 「will+動詞原形」よりも「will+進行形」の方が丁寧?/●「will+動詞原形」が抱えるリスク/頭に浮かぶ映像は~ing/Will you ~?とCan you ~?:どちらが丁寧か/第21講 「たられば」の気持ちが丁寧さにつながる仮定法/●仮定法が表すのは「現実との距離」/動詞の過去形を使う理由/I would say ~:「まぁ、~でしょうね」「あえて言うなら、~ですね」/I would imagine ~:「~じゃないですかねぇ」/I would think ~:「~じゃないか、などと思うのですが」/第22講 pleaseには「逆らえない圧力」がある/●pleaseは「ちょっと冷たい」?/英語の命令文の本質/pleaseの正体/第23講 アメリカ人はイギリス人よりもpleaseを使わない?/●アメリカ人の「建前」/Can I have the salad?とCan I have the salad, please?の違い/第5章 メタファーとメトニミーが作る「多義語」の世界/第24講 メタファー:人はなぜ「時間」という概念を理解できる?/●言語にとって、「比喩」が重要?/メタファー:時間と前置詞/メトニミー:「白バイ」は人を指す?/第25講 on世界:Russias war on Ukraineはなぜin Ukraineじゃない?/●onの意味は「接触」/「上に乗る」と「圧力」がかかる/「頼る」=「支えてもらう」=「上に乗る」/「接する」=「ずれていない」/第26講 文法にも多義はある:不可算名詞が「機能」も表すわけ/●「形の仲間」と「材質・性質の仲間」/「性質」に注目する~ing/breakfast, lunch, dinnerはなぜ不可算名詞なのか/文法の振る舞いは、人間の心の振る舞い/あとがき/参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アキ

117
なぜWould you ?の方が丁寧な表現なのか?学生の頃はただ覚えるだけであった知識が、文法とは人間の世界の捉え方として考える著者の説明で、腑に落ちた。年齢を経ると、英語を話している人のモノの捉え方に興味が湧いてくる。日本語は自動詞が優勢な言語で、英語を含めたヨーロッパの言語は他動詞が優勢な言語だとは聞いたことはあったが、著者の実体験の例文から説明があるので納得感があります。日本語は聞き手に理解の責任があると考える言語で、西洋言語は話し手責任を重視するから生徒も質問が多くなる。なるほど。2023/08/12

ドラマチックガス

9
以前、本屋で「英語が苦手な人は日本語を英語に訳そうとしている。でも英語と日本語は根本的に考え方が違うので日本語をそのまま置き換えてもダメだ」みたいな本を立ち読みした。その本を探しているなかで「英語脳」というのは割りと近い考え方かもと思い購入。とても勉強になった。ただ、この本ってもっと英語を勉強してから読み返した方がよさそうとも思う。結局、「良い解説書」ばかりを探して英語自体を読もうとしていないのが上達しない原因なのだ、ということにはとっくに気づいている。2023/08/03

しゅー

6
★★★英語話者と日本人の頭の使い方の違いを、とても分かりやすく解き明かしている良書。類書より断然読みやすくてオススメ。2023/05/15

ハッチ

2
言葉はアイデンティティ。その言語を話す人々がどのように物を見て、どのような考え方をして、どう感じているのか。それは翻訳アプリがいくら進化しようが、語学を学ぶ事でしか触れる事が出来ない分野だと思う。2023/07/20

mocha

1
英語ではどのように考えているかを理解する事で英語学習に役立てることが出来る。2024/03/03

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/21120928
  • ご注意事項