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内容説明
日本農業にとって人口減少は諸刃の剣といえる。これまでのあり方を一部で壊してしまう一方で、変革の推進力にもなる。農産物の生産や流通は、総じて人手不足で、生産者と流通、販売、消費の間の溝やズレも明らかになっている。ピンチをチャンスに変えるべく、こうした課題に立ち向かう現場がある。生産から出荷までの合理化、消費者と直接つながる商品の開発、物流のルール変更への対応……。世間で思われているほど暗くない、日本農業の未来を報告しよう。
目次
はじめに/第一章 データで見る農と食のいまとこれから/1 増え続ける外国人労働者と待ち受ける危機/2 二〇二四年問題──関東で「あまおう」が食べられなくなる!?/3 集出荷施設の老朽化で青果流通に不安/4 多くの農業集落で存続に黄信号/5 耕作放棄地の増加と懸念/6 農家の減少と高齢化/7 一人当たり三倍の農地を耕す未来/8 もはや主食ではないコメ/9 単身世帯の急増で伸びる加工・業務用/10 食い込むべきは世界の食品市場/第二章 危機にある物流/1 積載率を高める保管施設/2 「あまおう」は関東圏に届くのか/3 北海道新幹線延伸に伴う「並行在来線問題」/4 鮮度を保ったまま大消費地に小ネギを届ける物流とは/5 「保管」という物流の新たな価値/6 「やさいバス」、コロナ禍で主な取引先は飲食店から小売店にシフト/第三章 待ったなしの農業関連施設の再整備/1 農家とドライバーの負担を減らす「東洋一」の選果場/2 イチゴの選果と調製を請け負うパッケージセンター/3 共同選果と産地づくりをセットで/第四章 大規模化への備え/1 集落営農の将来像/2 いま兼業農家を育てる理由/3 農業法人が稲作専門の作業管理アプリを開発した理由とは/4 労働生産性の向上に不可欠なデータ/5 規模拡大の前提となる働きやすい環境づくり/第五章 外国人、都市住民からロボットまで/1 頼みは外国人技能実習生/2 都市住民を産地に呼び込む/3 「アグリナジカン」の試み/4 障害者の就労支援と農業/5 北海道から広がるロボット農機の可能性/6 除草の現在地/第六章 消費者が迫る変化、日本文化を世界へ/1 市場を奪われる国産/2 調理しない未来を予想する農業生産法人/3 不調のコメ、好調のパックライス、冷凍米飯/4 民間発の小麦国産化/5 人口減少でも増えるチーズの需要/6 日本酒の味を変えた輸出の波/7 魅力的な品種、ガタガタの輸出戦略/おわりに/参考文献/初出一覧
感想・レビュー
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