中公新書<br> 物語 チベットの歴史 天空の仏教国の1400年

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中公新書
物語 チベットの歴史 天空の仏教国の1400年

  • 著者名:石濱裕美子【著】
  • 価格 ¥990(本体¥900)
  • 中央公論新社(2023/05発売)
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  • ISBN:9784121027481

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内容説明

古代に軍事国家だったチベットはインド仏教を受容、12世紀には仏教界が世俗に君臨する社会となった。17世紀に成立したダライ・ラマ政権はモンゴル人や満洲人の帰依を受け、チベットは聖地として繁栄する。だが1950年、人民解放軍のラサ侵攻により独立を失い、ダライ・ラマ14世はインドに亡命した。チベットはこれからどうなるのか? 1400年の歴史を辿り、世界で尊敬の念を集めるチベット仏教と文化の未来を考える。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

skunk_c

80
チベットの歴史とあるが、前半は当地で活動した仏教指導者列伝の趣。おそらく史料がないのだろうが、どのような社会が営まれていたかの記述は殆どなく、むしろ仏教の教義の解説書のようだった。その中でモンゴルへとチベット仏教が広がる様子は興味深かった。ダライラマ政権、とりわけ19世紀の13世以降は内容が具体的になり、イギリス・ロシアの確執、清から共産党政権中国のチベット支配とダライラマの亡命、チベット社会がどのように破壊されようとしているかが描かれる。真の仏教徒らしく中道に徹する14世と現地の苦しみの対比が重い。2023/05/13

榊原 香織

68
チベット史で一番面白いのは19世紀後半。 欧米人探検家たちが謎の国に一番乗りを目指し、ブラヴァツキー夫人のカルト的宣教、イギリスのスパイ、パンディットたち(山地人を歩幅で距離が測れるように訓練)の暗躍、偉大なダライラマ13世など 古代は知らない名が多すぎるし、近年のは辛過ぎるし。2023/08/20

サアベドラ

38
古代チベット帝国(吐蕃)から現代のダライ・ラマ14世亡命政権までの歴史を略述した新書。2023年刊。著者の専攻はモンゴルやマンジュを含むチベット仏教圏史。古代帝国崩壊後は宗教勢力が実質的に政治を取り仕切ってきたため、チベット仏教各宗派に関する記述が長く、忍耐のいる読書が続く(ダライ・ラマ政権あたりまで来れば一気に読みやすくなるのだが)。各時代の遊牧・中華帝国と絶妙な関係を築いて独立を維持してきたが、近代に英露のグレートゲームに巻き込まれ、梯子を外される形で中共に飲み込まれる。大国に翻弄される悲哀を感じる。2023/06/28

kk

24
図書館本。チベット1,400年の歩みを概説。前半は19世紀までの政治史とラマ教史を超特急でぶっ飛ばし、政教一致という特殊政体の成立と発展を紹介。後半はダライ・ラマ13世、14世の事績を振り返り、列強や中国の圧迫の下に呻吟するチベットの苦労をハイライト。かなりの紙幅で13世の「遺言」を紹介。チベットの苦悩と勇気をそのまま表しているように思われ、心動かされるものあり。他方、前半部分では数多の人名・地名・寺名等に辟易。法統なんかはせめて系図にでもしてみたらどーかな。社会史や経済史的な面も教えてもらいたいです。2023/06/12

さとうしん

24
一応古代から現代までを範囲としているが、ダライ・ラマ政権の成立以後が中心。古代の部分は正直わかりにくい。一見非合理に見える転生僧制度の意外な合理性が面白い。最近話題のダライ・ラマ6世や、13世の生涯についても詳しく触れている。現代中国のチベットの置かれた状況に関する記述を見てると、本邦の沖縄の置かれた状況を連想してしまうが…… 中国の西部大開発がアメリカの西部開拓に喩えられていたというのも、現代中国がアメリカの鏡であるという面からすると当を得ているのだろう。2023/04/22

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