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内容説明
週刊誌、翻訳書の編集に従事し、その後「光文社古典新訳文庫」を創刊した駒井稔がエッセイ風に綴る、気取らぬ読書論。話題は海外の書店や出版社、編集者、作家、歴史的人物、古典、短編、児童書へと縦横無尽に広がります。魅力的な本に出会う秘訣は? 挫折した長編作家の作品にはどのようにアプローチする? 執筆や出版の舞台裏に迫る、とっておきの一作は? 古今東西の未読の本の存在に、わくわくさせられること間違いなし!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
121
文学者や翻訳家による海外文学ガイドは多いが、編集者目線からのは珍しい。しかも光文社古典新訳文庫の創刊編集長の手になるだけに、これはと思う本を発見するためアンテナを張り巡らせる有様が面白い。先進国のみならず様々な国で優れた本を発掘した編集者や出版社に関する本を読み、自分も近づこうと感性を磨いていくのだ。一般の文学のみならず自伝や児童文学まで目を配り、読書でも複眼を持つ必要性を語る。特に名前や作品は知っている著名な作家や政治家、思想家でも、読書論は初耳なので興味深かった。早速、紹介されている本を探してみよう。2023/09/10
ナミのママ
74
読メで知った一冊。著者は『光文社古典新訳文庫』の創刊編集長。多読、既読書を記憶し、その中から他人にお勧めできる姿はプロフェッショナルそのもの。そんなプロが語る本書は作品の紹介だけではない。海外の書店・図書館・出版社の話から、海外の編集者の仕事、作家の書く自伝など。掲載された作品は表紙画像とともに章ごとにまとめられている。中でも縮約でない児童文学の完訳の話は面白かった。「ちょっと長い」まえがきとあとがきを読み、著者の人となりに惹かれる。これからもいいね!やナイスを気にせず色々な作品をマイペースで読みたい。2023/06/23
tamami
64
読友さんのレビューで本書を知り、冒頭の「駅で見かけた本好きの少女」という一文に心を鷲掴みにされ即購入。前半では、著者自身の読書論に止まらず、世界各国の編集者の読書論が紹介され、合わせて各国の出版社や図書館、著者、著作についての多くの興味深いエピソードが記される。後半は、「短編小説」から始める世界の古典文学、自伝文学の読書論、児童文学のすすめと章題が付けられ、それぞれの領域への入門案内として分かり易く興味を惹く内容となっている。ことに最終章「児童文学のすすめ」では、心理学者の河合隼雄さんと、詩人の長田弘さん2023/06/10
よっち
39
週刊誌、翻訳書の編集に従事してきて、編集長として「光文社古典新訳文庫」を創刊した著者による編集者目線から語る読書論。駅で見かけた本好きの少女から始まる、古今東西の様々な事例から魅力的な本にどのように出会うのかを綴った一冊で、翻訳者らしい世界の作家や編集者たちの読書論、毛沢東やモームなどの世界の様々な読書論、世界の書店や図書館のありようを巡る旅、短編小説から始める世界の古典文学、自伝文学や児童文学のすすめなど、いろいろなアプローチから語られるエピソードは面白くて、詩人の長田弘さんの積読論も興味深かったです。2023/06/11
mayumi
27
大変面白かったです。各国の有名な編集者と文豪の話や世界の著名人の読書論、世界中の書店や図書館の話、短編小説、自伝文学、児童文学まで。ありとあらゆる本の紹介で、読みたい本が次々に増えました。著者の語り口もうまいです。特に児童文学に関しては、名前だけ知っていて読んだことがないものが多いので、完訳を読んでみたくなりました。ちなみに著者は光文社古典新訳文庫創刊時の編集長。古典名作への愛を感じました。2023/07/21