内容説明
職場、取引先、身内、ママ友、ご近所…
イヤなことをされる、困っている、本当は言い返したい。
だけど、この関係性は壊せない――
つい「この場さえ我慢すれば」と思ってしまう自分を救う知的戦略
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「本音は正義」「嘘をつかないことが、無条件にかっこいいことである」
という話が、最近、いろいろなところから聞こえてきます。
しかし、本当にそうでしょうか?
その場限りの、二度と会わない相手ならばいいかもしれませんが、
壊してしまったらあまりにも失うものが大きい関係性に対しては、
「別の戦略」を考えてもいいように思います。
イヤだ、不快だという自分の気持ちを無視したり、
心を殺してなかったことにするのではなく、
返す言葉に、「エレガントな毒」として含ませる。
言いたいことを言うけれども、
相手を直接傷つけたり、関係性を破壊してしまったりしない。
そんな「大人の教養」と「古都・京都が育んだ人間関係のエッセンス」を、
一緒に学んでみませんか。
目次
1章 NOを言わずにNOを伝えるコミュニケーションが今こそ必要な理由
2章 [シチュエーション別]エレガントな毒の吐き方を京都人に聞きました
3章 「困った」「イヤだ」を賢く伝える7+3のレッスン
4章 科学の目で見る京都戦略
5章 ブラックマヨネーズに聞く! 京都人の驚異の言語センスと笑い
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
馨
113
他人との会話が苦手で、断りたいことや、言い返したい事がある時も勇気が出なかったり、言い回しっていちいち気を遣うし難しいと思っていたので、読んで良かったです。何回も読んで習得出来たら良いなと思います。京都の人の言い回しはさすがです。人間関係にトゲを残さず、少々の笑いも取りながら上品に言い返す。もし私がこの言葉を言われたら、怖いなぁと思うぐらい嫌味も入っているし、はっきりした物言いではないようで、かなりはっきりしている。2023/08/06
たかこ
61
京都人の言語能力の高さは、その環境要因や学習によって身についている。毒の吐き方にも知性があり、知識と教養の塊、イケズを巧みに扱う言語の運用能力はきっとすごいに違いない。確かに、論破して「一度きりの勝利」に酔うよりも、相手と互恵関係を築ける方が大事。たとえイケズな物言いが通じなくても、それはそれでそういう人なのね、でおしまいにできる、それもまた高度なテクニック。京都という長い歴史の中での言葉遣い、勉強になりました。毒は吐くには、高度な言語能力と運用テクニックが必要ですね。2023/12/01
ロクシェ
53
評価【◎】初めてできた恋人が生まれも育ちも京都の人だった。鴨川のそばで生まれ育ったと話していたので、洛中出身なのだと思う。まさに本書にあるような、内面を決してさらけ出さなかったり、笑顔で本心と真逆のことを言ったりするところがあった。とても良い終わり方ではなかったため「恋愛って難しすぎる…」と嘆いたものだけど、そもそもがVERY HARDモードだったことに気づけただけでも収穫だった。ただその経験のおかげで、当時住んでいた高槻から片道30分で嵐山や京都河原町へ行けることを教えてもらった。埼玉出身でありながら↓2023/09/27
Carlyuke
51
最近言い返したいなと思うことがあったし, 中野信子さんの新しい本ということで購入した。しばらく心が忙しいと感じており, 本を読めないと思っていたら, 読めるようになってきていて割とサッと読めた。 褒めるように言いながら時間が経過してからその毒に相手が気づくというような言い方。自分が使えるようになるかは別だが, こんなコミュニケーションがあるということで勉強になった。 時には批判や皮肉を込めて,しかも相手との関係性を壊さずに京都人風のコメントをして自分だけでスカッとできたら良いなと思った。2023/06/04
assam2005
31
論破することがエンターテイメント化し、その真似事として日常に論破が入り込む。日常に入り込んだ論破は、私には傍目に見てあまり気持ちの良いものに思えません。論破ではなく、我慢するのでもなく、サラリとかわす術を京都のイケズに学ぶ。このイケズ、かなり観察眼と頭を使う。ボケっとしてたら相手の真意を理解できず、別の意味に捉えてしまう。本当のことであっても言ってはいけないこともある。それらの判別もまた頭を使う。より自分に合う人間関係は、頭を使いながら言葉で取捨選択し、自分で見つけていくものなのかなと思いました。2023/09/18