講談社文芸文庫<br> 日本語の勝利/アイデンティティーズ

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講談社文芸文庫
日本語の勝利/アイデンティティーズ

  • 著者名:リービ英雄【著】
  • 価格 ¥2,508(本体¥2,280)
  • 講談社(2023/04発売)
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  • ISBN:9784065309629

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内容説明

「日本語の勝利」は著者が『星条旗の聞こえない部屋』で野間文芸新人賞受賞決定直後、世に問われた最初のエッセイ集。
日本語という言語や「新宿」という場所との関わり、文学との向き合いが様々な切り口で描かれており、興味深い。
それから4年半を経て2冊目のエッセイ集「アイデンティティーズ」が刊行される。そこでは日本とアメリカとの往還だけでなく、中国というもうひとつの大陸への探訪が始まったことが記される。そこで目にする中国人や中国語はこれまでになかった姿であり、読者の固定観念を揺るがす。
文学をそして人間の営みをつねに複眼的に捉え、生き生きとした日本語で描写する著者、リービ英雄のエッセイ群は東西冷戦後の世界の枠組みがさらに大きな変化を生じ始めていると見られる2020年代の今こそ、深く受け取ることのできる貴重な文学の表現なのである。

目次

日本語の勝利
東京を歩く男
1
日本語の勝利
セイレンの笑い声、三島の声
猿股の西洋人
もう一つの国
なぜ日本語で書くのか
もう一つの「在日」
アメリカ、日本文学、中上健次
アジアの伝唱者、オリュウノオバ
「在」と「バイ」と、カタギリの目
「翻訳」された天皇崩御
李良枝からの電話
「つまらない」時代の、決してつまらなくない六人の作家
本格的「移民文学」の誕生
2
日韓もう一つの文化ショック
ソウル 英語のない大都会
「日韓ショック」の原点
鉄馬が行きたい、走りたい
韓国は六〇年代の日本ではなかった
モスクワ ささやきの都への旅
アメリカの埼玉県
3
木造の青春
部屋から部屋へ
ターミナル
悪魔のサカナ
カリフォルニアの清少納言
読書ノート『ユダヤ人』
読書ノート『フローベール全集第八巻』
読書ノート『万葉集・巻五』
鎖国の国ブータン
「歴史」の後はコンプレックス
What is Shinjuku
混血児のごとく
あとがき
アイデンティティーズ
1
東北の出会い
「there」のないカリフォルニア
「文学者」の国に、ぼくがいる
万葉青年の告白
プリンストンの豊かな寂しさ
江戸間八畳の中
久しぶりの北京語
「莫説!」
満州で聞いたコトバ
高級マンション、叫び声
最後のエッセイ
2
ニューヨーク――もうひとつの島国
ワシントンの少年――クリントンを追う
新宿とは何か
顔と表情――上海で言われたこと

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Maumim

1
著者の日本文学への知識が深く広範すぎて、ついていけない。「日本文学者」なのだなあ。新宿とマンハッタン。合衆国と日本と韓国。80〜90年代に書かれたものなので懐かしい単語も出てくる。NIESとか。クリントン大統領が就任した時の雰囲気とか。2023年から見るとすでに過去になりつつあるのだけれど、確かにそんな時代があった。そして著者の日本に対する独特の感覚、こだわり。難解だけど、文学に対する熱のようなものを久しぶりに感じられて、まだまだいろいろ読まなくちゃと思わされる。2023/08/13

srshtrk

0
この多くのエッセイが書かれたバブル時代の日本の時から世界が大きく変わってきましたが、リービが問う国際化、グローバル化や多様性の意味の社会的重要性が増えたばかりの気がする。リービは日本語で喋れるだけではなく、小説まで書ける外国人として誤解され、受け入れられなかった体験が書かれていますが、アメリカを舞台とするエッセイの中にも、アメリカだけではなく、ある意味で母語の英語からも逃げたこの作家の、アメリカ的価値観と英語の「中心性」や「普遍性」の当たり前さに対しての問いと対抗も込められたのではないかと思う。2023/07/28

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