「中国」という捏造:歴史・民族・領土・領海はいかにして創り上げられたか

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「中国」という捏造:歴史・民族・領土・領海はいかにして創り上げられたか

  • 著者名:ビル・ヘイトン【著】/小谷まさ代【訳】
  • 価格 ¥3,520(本体¥3,200)
  • 草思社(2023/03発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
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  • ISBN:9784794226105

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内容説明

習近平は言う。
「五〇〇〇年以上にわたる歴史のなかで、わが国は優れた文明を作りあげ、
人類に卓越した貢献をし、世界における偉大な国家の一つとなった」。
だが、実際には「中国」とは近代になって強引に創り上げられたものにすぎない。

「中華民族の均一性も、中国の国境線も、さらには国民国家という概念さえも、
すべて一九世紀後半から二〇世紀前半に捏造されたものなのだ」(序章)

中国が五〇〇〇年間ずっと統一国家であり統一国民であったという神話の虚構性を、
「中国(チャイナ)」という国名と概念の導入から、
歴史、民族、言語、領土、領海など広範にわたって詳細な資料をもとに検証する。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ばたやん@かみがた

88
《厄介な隣人が抱えたトラウマ》(1)東シナ海・尖閣についての日本のみらず、南シナ海、ヒマラヤ等周辺国と絶えず領土紛争を抱え力による現状変更への意思を隠さない中国。なぜこの大国がこうなのかを、本書は近代において中国が抱えてしまったトラウマが原因だとします。即ち、アヘン戦争から日清戦争に至る過程で、それまで蕃夷とみなしていた欧州や格下扱いしていた日本にも大敗するに及び、清末の意識的な知識人や政治指導者は対抗しようとして愕然としたのだ、と。(1/6) 2023/10/22

まーくん

82
今から40数年前、中国が改革開放へ舵を切り始めた頃、彼の国で仕事をしていた。地理や歴史の予備知識も十分でなかったので、とりあえず北京の書店で『中国地図冊』という地図帳(初版1966、1979.12第4版1.5元)を買い求めた。省別の地図だが、広東省「南海諸島」の頁に驚いた。南シナ海のほぼ全域を“九段線”という破線で囲み、その領域はボルネオ島やルソン島沿岸近くまで迫っていた。勿論、当時はそれを具現化する実力もなく、あまりに自己中な夢想に思わず失笑。「捏造」という言葉には少々語弊あるような気もする。⇒2023/08/18

Sam

49
薄々感じていたもののこれだけ並べられると壮観ですらある。中国、主権、漢民族、中国史、中華民族、中国語、領土、そして領海。「捏造」の事実がこれでもかと詳細に語られ、正直辟易とするほど。とはいえこれだけ広大な国土、多くの人口や民族を一つの国としてまとめることの困難さが想像できるのも事実(無論捏造をよしとするつもりはないが)。「中国という国のアイデンティティがあまりに脆い」がゆえの捏造。そもそも「すべての歴史は偽史である」といわれる通り、捏造はどの国においてもつきものであることは意識しておきたい。2023/05/19

香菜子(かなこ・Kanako)

16
「中国」という捏造: 歴史・民族・領土・領海はいかにして創り上げられたか。ビル・ヘイトン先生の著書。「中国」という捏造があるとしたら「日本」という捏造もある。中国を捏造と批判したり軽蔑したりしても日本だって捏造と批判されたり軽蔑されてしまう。他国を上から目線で偉そうに批判するのは簡単だけれどそれは傲慢だし偏見かもしれない。人の振り見て我が振り直せの気持ちがきっと大切。2023/06/18

Yuki2018

9
国家としての中国及び中華民族の定義自体、20世紀初に梁啓超等のナショナリストが考案した歴史をベースとする。当時は列強から祖国を救うため必死で上記の概念を生み出したのであり非難できないが、漢民族(その定義も曖昧)の文明に周辺民族を同化すべきとの社会的ダーヴィニズムが今も影を落とす。歴史の過半を北方民族に支配されていた中国のアイデンティティは実は脆く、これが強迫観念となり国内の抑圧、対外的に一切議論を許さない態度に繋がっている。著者のいう通り、現代の中国のプロパガンダは時代錯誤であり冷笑すべきものだろう。2023/08/26

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