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内容説明
江戸時代の日本は徳川将軍家が率いる幕府と、三百諸侯と称された大名家が率いる実数約260もの藩が共同統治する時代であった。
大名といっても100万石から1万石まで格差は大きかったが、石高以外にも様々な基準で格付けされた。そうした区分が組み合わされることで家格は決まったが、その基本は将軍との関係である。将軍に近いほど優遇され、遠いほど冷遇された。
そんな幕府による大名統制の実態を、五つの視点から解明。「 石高でみる格差」「将軍との関係でみる格差」「江戸城でみる格差」「江戸藩邸でみる格差」「参勤交代でみる格差」という切り口を通して、未曾有の泰平の世を可能にした、幕府の巧妙な仕掛けに迫る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mahiro
19
江戸幕府が体制、権威を維持するために大名旗本のことごとくに課していた格差。登城拝謁の家格での違いは勿論、役職につく家格、江戸屋敷の広さや参勤交代の際の作法など色々あって、時代物を読む時に思い出すとなるほどと納得するだろう。私が意外だったのは大名と城の事で、全国で城を持たない大名が半数近くいた事、一国一城令で領国の有力者の城を棄却してかえって自分の支配力を安定させた大名がいた事など。 2024/01/14
じぇーぼーい
1
なぜ松平姓が多いのか、また春嶽が幕末に影響力があったのかがよくわかった。格差をつけることで、幕藩体制を維持しまたそれによって崩壊していく様が、まさしくリアルに迫ってくる。それにしても、参勤交代や江戸城登城の実態は,面白い。2023/07/12
Kuliyama
0
大名によって江戸城での座る場所が異なるとは聞いたことがありますが、他にもいろいろ格差があることを知りました。2023/06/02