創文社オンデマンド叢書<br> 存在と知 アウグスティヌス研究

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創文社オンデマンド叢書
存在と知 アウグスティヌス研究

  • 著者名:中川純男【著】
  • 価格 ¥6,710(本体¥6,100)
  • 講談社(2023/03発売)
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内容説明

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【内容紹介・目次・著者略歴】
哲学するとは「わたし」について考えることである、という問題意識はアウグスティヌスに始まる。新たな視点から考察することにより、アウグスティヌスの西洋哲学史上における決定的な意義を明らかにする。
古代から中世への転換期にギリシアに始まる哲学に何が起こったのか。近世哲学はギリシア哲学から何を受け継いだのか。これらの問題を考えるとき、アウグスティヌスの果たした役割は計り知れなく大きい。地中海世界にキリスト教西欧が誕生しつつあった時代、アウグスティヌスは、ひとりの人間として世界を見、自分を考えた。本書は「幸福とは何か」という古代世界に共通な問題関心から解き起こし、「存在」や「知識」に関わる哲学の基本概念を、アウグスティヌスがどのように捉え直し変貌させていったのかを、プロティノスの思想を踏まえて明らかにする。

【目次】
まえがき
目的と意志
第一章 生の目的
第二章 幸福への意志
知の確実性
第三章 認識の確実性
第四章 ことばと真理
第五章 信ずることと知ること
存在と知
第六章 知の永遠性と魂の不死
第七章 精神の実体性
内在と超越
第八章 観念としてのイデア
第九章 内在としての存在
あとがき
引用文献

中川 純男
1948~2010年。哲学研究者。慶應義塾大学文学部長。京都大学文学部哲学科卒、同大学院文学研究科博士課程満期退学。
著書に、『存在と知 アウグスティヌス研究』など、
訳書に、『初期ストア派断片集 1』『初期ストア派断片集 4・5 クリュシッポス』(共訳)『アウグスティヌス著作集 20/1 詩編注解 5』(共訳)などがある。

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目次

まえがき
〇目的と意志
第一章 生の目的
1古代世界の連続性―幸福論 2幸福な生の記憶―アウグスティヌス『告白』 3「幸福の名のもとに求めているものはさまざまである」 4「ために」という概念―プラトン『ゴルギアス』 5判断の根拠としての目的 6「誰も欺かれることは望まない」 7「真理は憎しみを生み、へつらいは友人を生む」
第二章 幸福への意志
1『幸福な生』における対話の主題 2「欲するものをもっていない人は幸福ではない」 3プロトレプティコス(哲学のすすめ)の論理 4「究極の善」という考え方 5「幸福のためにもつべきもの」 6本性の実現と幸福 7本性的欲求と生の目的 8「人は幸福であることを欲している」―アウグスティヌスの解釈 9魂の働きとしての欲求 10欲求と目的 11目的についての知―観念 12『幸福な生』の意図と結論
〇知の確実性
第三章 認識の確実性
1懐疑主義とアウグスティヌス 2ストア派ゼノンの定義―キケロ『アカデミカ』 3ストア派ゼノンの定義 4懐疑主義の論拠 5懐疑の手続き 6・7・8懐疑主義の反駁 9思われと知
第四章 ことばと真理
1『教師論』における対話の目的 2『教師論』の構成と主題 3「ことばによって教えることはできない」 4感覚による認識と知性による認識 5「偽を見ながら真を語る」 6認識における真―感覚による 7知の概念 8認識における真―知性認識 9真理の超越性
第五章 信ずることと知ること
1『教師論』のもう一つの主題 2「しるしなしには何も教えられない」 3ことがらによって示す 4「しるし」の概念 5ことばの二つの働き 6ことばの知とことがらの知 7知の前提としての信
〇存在と知
第六章 知の永遠性と魂の不死
1『ソリロクィア』の魂不死論証が提起する問題 2「知られるもの」の永遠性 3知の永遠性と魂の永遠性―プラトンの場合 4魂においてある知―アリストテレスの場合 5知るものと知られるものは同じである―プロティノスの場合 6アウグスティヌスとプロティノスとの相違 7想起説と照明説 8知の現実性と魂の存在 9二通りの不死 10『ソリロクィア』以後の著作における魂不死論証
第七章 精神の実体性
1『三位一体論』における存在と知 2『デ・アニマ』の認識論とプロティノス 一 3『デ・アニマ』の認識論とプロティノス 二 4精神の自己認識 5自己認識と知性認識 6精神の存在と自己認識 7自己認識における意志
〇内在と超越
第八章 観念としてのイデア
1『八十三問題集』のイデア論 2イデアは観念ではない―プラトン『パルメニデス』 3 認識することは形相を受けとることである―アリストテレス『デ・アニマ』 4イデアの全体は知性と同一である―プロティノス  現実存在としての認識 6神の知性の内にあるイデア 7イデアと人間知性
第九章 内在としての存在
1基体の存在と付帯性の存在 2実体と付帯性―アリストテレス『カテゴリー論』 3「存在している」と「とどまっている」 4存在の場としての全体