黒蝶貝のピアス

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黒蝶貝のピアス

  • 著者名:砂村かいり【著】
  • 価格 ¥1,799(本体¥1,636)
  • 東京創元社(2023/04発売)
  • ポイント 16pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784488028916

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内容説明

前職で人間関係につまずき、25歳を目前に再び就職活動をしていた環は、小さなデザイン会社の求人に惹かれるものがあり応募する。面接当日、そこにいた社長は、子どもの頃に見た地元のアイドルユニットで一番輝いていた、あの人だった──。アイドルをやめ会社を起こした菜里子と、アイドル時代の彼女に憧れて芸能界を夢見ていた環。ふたりは不器用に、けれど真摯に向き合いながら、互いの過去やそれぞれを支えてくれる人々との関係性も見つめ直してゆく。年齢、立場、生まれ育った環境──全てを越えた先の物語。人間関係に悩むあなた、新しい環境に不安を感じるあなたに、ぜひ読んでいただきたい一冊です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

夢追人009

270
高校生でアイドルユニットの一員として活動した菜里子と幼い頃からアイドルに憧れて地元ライブで彼女を見に行った環の二人が成長して小さなデザイン会社の社長と新入社員の立場で再会する波乱に満ちたお仕事+人生を描いたダブル・ヒロイン小説です。菜里子はアイドルの過去を封印し、環は確信しながらも遠慮して言わない、ぎくしゃくした関係で最初は空回りなのが徐々に歯車が回り出し好機到来となりますが、薔薇色だけの甘い物語ではなく著者は終盤二人に予想外の悪夢の試練を与えるのです。上司と部下、親と子、恋人達と友人同士の関係について、2023/05/17

おしゃべりメガネ

106
話題の『アパートたまゆら』を読み、これはなかなかステキな作家さん現るかなと思い、続けてこちらを。結果からいうとあくまで個人的には『アパート~』のほうが断然良かったかなと。決して悪い意味ではなく、いたってフツーの男女間の色々が綴られているのですが、個人的にはちょっと食傷気味に。主人公の自分大好きオーラや主人公の上司のちょっと役者気取りな感じも、ちょっとハマれず。とある男性が登場して、こいつがまたなかなかビミョーなキャラで結果してどいつもこいつもになってしまいました。ラストはちょっと無理矢理話もってたかなと。2023/07/26

美紀ちゃん

97
「炭酸水と犬」も「アパートたまゆら」も両方とも好きなので読んでみた。町川環の視点と戸塚菜里子の視点の話が交互に書いてある。環は始めは弱々しい感じだったが会社にとっても菜里子さんにとっても大きな存在に成長してゆきそれがとても良かった。亜衣さんの横領は怖くてゾクゾクした。家族の歪みを描くのが上手いと思う。家族というか人間の歪み。炭酸水もそうだったよね。普通に見えて、でも狂っているかもしれない部分を抱えて生きている。そういう人って少なくないと思う。鬼怒川と日光いろは坂が出てきて地元民としては嬉しい。読後感爽快。2024/01/20

そら

89
前作がとてもツボだったので、新刊を楽しみにしていた作家さん。今回はキュン要素ではなく、仕事や家族関係と向き合う二人の女性が主役となる物語。文字数が多く、まあまあ長編だが、スーッと読ませる文章力は健在。仕事も家族も恋愛も、結局は人との繋がりがよくも悪くも人生を左右する。良さも悪さも両面が描かれた本作は、ひとことレビューが難しいが前向きに生きることと、何処で縁や絆に救われる希望があり、この先を読み手が想像する終わり方が砂村さんらしいと思った。次作も期待!2023/06/27

よつば🍀

63
『アパートたまゆら』『炭酸水と犬』2021年に同日発売された二作で心を鷲掴みにされた砂村かいりさんの最新作。本作もとても良かった。舞台は小さなデザイン会社。求人に応募した環は、その場所でかつて推していたアイドルユニットの菜里子と再会を果たす。恋愛要素も織り込みながら主軸となるのは環と菜里子。親や友人との関係性や性的搾取、仕事、恋愛等で揺れ動く感情が丁寧に掬い取られ、瑞々しい筆致で紡がれる。自分が過去に経験した記憶が思い起こされ共感を覚える。互いに支えあい試練を乗り越え絆が深まっていく二人の姿が眩しかった。2023/06/04

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